ペルソナ
阿久津 光男※仮名
- 年収
- 年金世帯276万(共済年金含む)
- 住居
- 所沢戸建て(1985年築・完済・現市場価値1,400万)
- 資産
- 預金1,420万/投信580万/個人年金220万/金180万/計2,400万
- 趣味
- 家庭菜園・写真・囲碁3段・週1温泉
- 学歴
- 埼玉県立川越高校(偏差値68・当時)→中央大学法学部政治学科(偏差値60)→1978年国家公務員II種(中級職)採用で厚生省入省
生育環境
1956年2月、埼玉県所沢市生まれ。高度成長期の真っ只中、父は大手私鉄の駅員(後に駅長)・母は所沢駅前の洋裁店経営という公務員・自営のハイブリッド家庭。弟1人(3歳下・現・所沢市役所職員)の2人兄弟。1960年代の「団地→戸建」昇格物語の典型的な軌跡を歩んだ家族。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出生地 | 埼玉県所沢市(当時人口8万・急速に宅地化する東京郊外) |
| 家族構成 | 父(大手私鉄駅員→後に駅長)・母(洋裁店経営・子育て中は家業縮小)・弟1人(3歳下・所沢市役所) |
| 世帯年収(幼少期) | 約180万(1965年時点・高度成長期標準・平均的) |
| 住環境 | 所沢駅近くの公営団地2DK→小4で所沢市郊外の建売戸建(1,200万・30年ローン)購入:典型的な「団地→戸建」昇格 |
| 高度成長期文化 | 東京オリンピック(小3)・大阪万博(中1)・ニクソンショックで地価急騰の時代背景/父は国鉄→私鉄の選択で安定収入 |
| 進学文化 | 父「大学は出せ」母「公務員か大手会社員に」/公立小中→県立進学校→国立 or MARCH が標準ルート |
| 金銭教育 | 小遣いは月500円→中学月1,500円で食費・文具以外は全てカバー/お年玉は半額強制貯金/母の洋裁店手伝いで時給制のバイト経験 |
| 習い事 | そろばん(小2-小6・3級)・柔道(小4-中3・初段)・習字(小1-中1・3段) |
| 家庭文化資本 | 朝日新聞・読売新聞の2紙購読/父の鉄道雑誌コレクション300冊/母の裁縫本・服飾デザイン書/囲碁・将棋の遊び道具 |
| 進路決定要因 | 高2で父の定年退職問題(当時55歳定年)を目の当たりにし、「終身雇用+年金の安定」を求めて公務員志望に固定 |
※高度成長期の「団地→戸建」昇格物語を地で行く家庭で、公務員父・自営母のハイブリッドで経済観が形成された。父の早期退職(55歳定年)を間近で見たことが「公務員=安定+年金」の哲学を決定づけ、国家公務員II種採用のキャリアに直結。埼玉県所沢という東京郊外ベッドタウンの典型的な成長ストーリーで、高度成長期を完全に享受した世代の代表例。
世代平均ベンチマーク(1956年生まれ男性・70歳)
1956年生まれ男性の70歳時点の標準値と阿久津さんの差分。国家公務員完全リタイア5年目の現在地を定量で把握。
| 指標 | 世代平均 | 阿久津さん | 差分 |
|---|---|---|---|
| 70歳世帯年金額 | 月19.8万 | 月23.0万 | +月3.2万 |
| 70歳金融資産中央値 | 1,480万 | 2,400万 | +920万 |
| 持家率(70代夫婦) | 87% | 100%(完済) | 優位 |
| 戸建て維持費(70代平均) | 月6.2万 | 月8.0万 | +月1.8万 |
| 家じまい検討率(70代前半) | 32% | 検討中 | 標準 |
| 生涯賃金(大卒男性1956年生) | 2.6億 | 2.8億 | +0.2億 |
| 退職金実績(元国家公務員II種) | 2,280万 | 2,380万 | +100万 |
| 医療費(70代年平均) | 28万 | 32万 | +4万 |
| 趣味・習い事支出(70代) | 年18万 | 年36万 | +18万 |
| 平均余命(70歳男性・2026年) | 16.2年 | - | 86歳まで |
※出典:厚労省簡易生命表2024・総務省家計調査・住宅金融支援機構「住宅に関する調査」。阿久津さんは世帯年金で世代平均の1.16倍、金融資産で1.6倍、元国家公務員II種として標準的な老後資産水準。戸建維持費(固都税・修繕積立・庭木剪定・外壁塗装)が家計を圧迫、家じまい検討は合理的選択。平均余命から逆算すると86歳まで16年、月差額-8万のバッファ確保のためマンション移転は十分に経済合理的。
02年齢×収入・支出・貯蓄のライフラインチャート
tsuchiya mitsuo氏の70歳までの収入・支出・純資産の推移。職業特性(NO.45 / 完全リタイア)を踏まえたライフチャート。
■ 年齢×金額・単位 万円/年
※収入ピークや支出増のタイミングを把握し、70歳以降の資産形成計画の参考に。純資産は収入と支出の差の累積で、生涯設計の軸となる指標。
03本記事で公開する書類(全10件)
家じまい計画(2027年)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 戸建て売却(見込み) | +1,400万 |
| 新マンション購入(所沢駅徒歩) | -2,200万 |
| 引越+家具入替 | -150万 |
| 追加支出(貯蓄から) | -950万 |
※月維持費 戸建て8万→マンション4万で月4万カット。徒歩生活で自転車・徒歩中心、介護も想定しやすい立地。
分布・IF分岐・意思決定
月13万中央値
月18万上位25%
月24万上位10%
月30万
※厚労省統計。共済年金で上位25%圏。
戸建て維持 vs マンションダウンサイジング
バリアフリー+駅近、後期高齢期に適合。
80歳時の階段・庭・修繕は身体的負担。
在宅介護備え vs 施設入所準備
特養は要介護3以上、有料は資産2,400万で5年持つ。
意思決定ログ
家じまい決断
2026年2月、所沢の築41年戸建て(土地50坪・建物35坪)に住み続ける満男・弘子夫婦(70歳・68歳)は、真冬の雪かきで満男の腰を痛めた。2週間の痛みの間、弘子が庭の雪かきに1人で2時間、屋根の雪下ろしを業者依頼で3万払った現実が「家じまい」を現実にした。築41年の外壁塗装(見積150万)、屋根瓦の雨漏り修繕(80万)、給湯器交換(40万)など修繕費が今後10年で累計700万見込。所沢駅徒歩7分の築10年中古マンション(70㎡・2,200万)が目に留まり、夫婦で内見後「バリアフリーで終の住処に最適」と即決モード。長男(40歳・都内在住)・長女(38歳・横浜在住)に相談したところ、「帰省はホテルで代替する、お父さんお母さんの健康優先で」と全員合意。差額は戸建て売却1,400万+貯蓄取崩800万で確保。
「お父さんお母さん、戸建て維持のために毎年修繕費払って、毎日の掃除と雪かきで体壊したら意味ない。駅近マンションで夫婦2人、ゆっくり過ごして。帰省は僕がホテル取る。」──長男(40歳・IT企業勤務)
「70代前半は『家じまい』のゴールデンタイムです。体力と判断力が残っているうちに売却・引越・遺品整理を済ませると、80代以降の家族負担が激減します。戸建て2,850万購入→売却1,400万、これは戦後の資産最大化ではなく『豊かな老後への切り替え』として正解です。」──相続・不動産専門FP(60代男性)
FOR ─ 移転
バリアフリー/維持費減/介護対応AGAINST ─ 維持
思い出/引越コスト生涯税・社会保険料累計(22-90歳)
1978年厚生省入省から90歳までの68年間、阿久津さんが支払った(支払う予定含む)所得税・住民税・社会保険料の累計。国家公務員II種・40年勤続の「稼ぎと税負担」の全体像。
| 期間 | 年齢 | 所得税累計 | 住民税累計 | 社会保険料累計 | 期間小計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1978-1987 | 22-32歳(II種〜係長) | 45万 | 95万 | 320万 | 460万 |
| 1988-1997 | 32-42歳(係長〜課長補佐) | 115万 | 185万 | 720万 | 1,020万 |
| 1998-2007 | 42-52歳(課長補佐〜室長) | 185万 | 265万 | 980万 | 1,430万 |
| 2008-2018 | 52-62歳(室長〜課長・年収780万) | 260万 | 320万 | 1,080万 | 1,660万 |
| 2019-2021 | 62-65歳(再任用・年収380万) | 38万 | 58万 | 180万 | 276万 |
| 2022-2046 | 65-90歳(年金+資産取崩) | 85万 | 120万 | 480万 | 685万 |
| 累計 | 22-90歳(68年) | 728万 | 1,043万 | 3,760万 | 5,531万 |
※生涯税・社保累計約5,531万。生涯年収推定2.8億の約20%相当。国家公務員は所得税・住民税の源泉徴収で完全捕捉、節税の余地はほぼなし。共済年金(厚生年金と一元化)は私学教員と並ぶ高水準で、退職金2,380万は退職所得控除(勤続40年=2,200万)で80万超過分に対して15%税率=12万のみ。65-70歳の再任用+年金の併給期は、総合課税で年収500万帯、所得税率20%ゾーンを軽く超えた時期。70歳以降の年金のみ生活は公的年金等控除+基礎控除で実質非課税水準。
04未来予測(70-95歳のロードマップ)
完全リタイア5年目・元公務員の阿久津さんの今後25年。2027年の家じまい(戸建て→マンション)、80歳以降の介護発生想定、共済年金の堅固さ、夫婦2人の老後設計。"後期高齢期に適合した住居"への移行がテーマ。
DOC.07|25年キャッシュフロー予測
| 年齢 | 世帯年収 | 世帯支出 | 年貯蓄 | 世帯資産 |
|---|---|---|---|---|
| 70歳(現在) | 276万 | 360万 | −84万 | 2,400万 |
| 72歳(家じまい後) | 276万 | 312万 | −36万 | 1,380万 |
| 75歳 | 276万 | 310万 | −34万 | 1,240万 |
| 80歳(要介護開始想定) | 276万 | 400万 | −124万 | 700万 |
| 85歳(介護度2) | 276万 | 460万 | −184万 | マンション売却で補填 |
| 90歳(施設入所) | 276万 | 500万 | 自宅売却で対応 | — |
| 95歳 | 276万 | 500万 | — | — |
DOC.08|ねんきん定期便(70歳時点)
元国家公務員中級職・共済年金40年(2015年厚年統合後)、本人の年金は月16万(厚年相当)+基礎年金6.5万=月22.5万(年270万)。妻(67歳・元パート10年)は基礎年金のみ月6.5万+厚年短期加入分月1万=月7.5万。世帯年金月30万(年360万)は共済加入者の強み。退職時に共済から厚年への統合に伴う職域加算分も月+8千円上乗せ中。
DOC.09|既受領退職金の現状
60歳定年時に受領した退職金1,850万(国家公務員中級職40年・人事院勧告基準)は、現在の預金1,420万のベース。10年間で630万取崩(年63万ペース)は想定内。共済年金+退職金の"公務員パッケージ"は民間と比較しても老後安定性が高く、阿久津さんが70歳時点で2,400万維持できているのはこのベースがあるため。
DOC.10|老後資金設計(家じまい後の25年)
2027年家じまい後、マンション価値2,200万+金融資産1,380万=総資産3,580万に再構築。月維持費4万減=年48万削減で貯蓄取崩しペース改善。80歳以降の介護発生で月10-15万追加支出想定、85歳で貯蓄残700万、マンション売却(2,000万)で介護ホーム入居資金に充当。90歳以降は特養or介護付き有料ホーム入居で月20万×5-10年対応。夫婦どちらかが先立つ遺族年金(月15万)でも生活維持可能な設計。家じまいは「体力・判断力のあるうちの最後の大決断」として2027年決行は理想的タイミングです。
💭 COLUMN|「家じまい」のベストタイミング
戸建ての家じまいは75歳が最後のリミットと言われる。理由は3つ。①体力(引越し・荷物整理は自力でできるうち)、②判断力(不動産売買契約の理解力)、③配偶者の健在(共同決断者がいる間に決める)。阿久津さんの2027年決行(71歳)は教科書通りのタイミング。逆に80歳超えてからの家じまいは、子供主導の半強制になりがちで、本人の希望が通りにくい。
3シナリオ|70歳〜95歳の25年予測
阿久津さんの今後を3シナリオで俯瞰。最良は家じまい成功+夫婦健康継続、中央は計画通り+80代後半要介護、最悪は家じまい遅延+早期重病のケース。
2027年戸建て売却2,500万・所沢マンション2,000万購入で500万純増。夫婦とも90歳まで自立、孫4人との交流継続、趣味(阿久津:陶芸/妻:合唱)を健康寿命の支柱に。85歳まで在宅、87歳でケアハウス移行・月15万。95歳時点資産+1,200万残、孫教育費500万贈与可能。
2027年家じまい計画通り、新マンション生活5年快適。78歳で阿久津さん白内障手術・妻軽度認知症兆候、80歳から介護保険要支援2。85歳で要介護2到達、夫婦で介護付き有料ホーム入居一時金1,500万+月35万。90歳で資産900万、95歳で資産450万、貯蓄余命は96歳まで。
2027年家じまい、妻の反対で1年延期。72歳で阿久津さん心筋梗塞、入院3ヶ月・後遺症で要介護1。家じまい白紙、戸建て維持月8万継続。75歳で妻が骨折・要支援、夫婦同時に介護必要に。80歳で施設入居検討も特養待機3年、85歳で資産600万、戸建て売却2,200万でようやく介護費捻出。家じまいの遅れが致命傷。
| 年齢 | 最良 | 中央 | 最悪 |
|---|---|---|---|
| 72歳 | 3,650万 | 3,520万 | 2,900万 |
| 75歳 | 3,800万 | 3,400万 | 2,400万 |
| 78歳 | 3,750万 | 3,200万 | 1,950万 |
| 80歳 | 3,650万 | 3,000万 | 1,650万 |
| 83歳 | 3,400万 | 2,500万 | 1,200万 |
| 85歳 | 3,100万 | 2,000万 | 800万 |
| 88歳 | 2,500万 | 1,400万 | 450万 |
| 90歳 | 2,000万 | 900万 | 200万 |
| 95歳 | +1,200万 | +450万 | −(要保護) |
05よくある質問
Q1. 家じまい後の新マンション選びのポイントは?
70代の終の住処選定の鉄則(1)駅徒歩10分以内(80歳以降の通院・買物の自立性確保)、(2)エレベーター付き・バリアフリー(杖・車椅子対応、段差なし)、(3)医療アクセス(徒歩圏に総合病院or救急病院)、(4)築浅(築15年以内で大規模修繕リスク低)、(5)管理費・修繕積立金が月3-5万以内(月8-10万の物件は注意)。所沢駅徒歩7分の新築or築浅物件2,200万は相場妥当、中古なら1,600-1,800万で選択肢広がります。
Q2. 戸建て売却時期を2027年にする根拠は?
築41年木造戸建ては売却時期の見極めが重要。2027年売却の論拠(1)72歳は体力・判断力のピーク末期(75歳以降は認知機能低下リスク増)、(2)不動産市況の予測(2025-2027年の団塊世代大量売却期を過ぎた後の2027年以降は価格回復期)、(3)売却前のメンテ期間確保(2026年に外壁・屋根塗装で売却価格+200万期待)、(4)3,000万特別控除で譲渡所得税ゼロ。逆に75歳超えると「内見対応・契約手続き」の負担が重くなるため、2027年は遅すぎず早すぎずの最適期です。
Q3. 相続対策は70歳から始めても間に合いますか?
総資産3,500万規模で相続人3人(妻+子2人)の基礎控除は4,800万、基本的に相続税ゼロのゾーンです。対策は相続税より「争族対策」にシフト。(1)公正証書遺言(マンションを妻、預金を子2人に指定、公証役場10万程度)、(2)任意後見契約(認知症対応、司法書士との契約)、(3)エンディングノート(資産リスト・葬儀希望・医療延命方針記入)、(4)70代で生命保険(500万×法定相続人の非課税枠活用)。金額規模より「家族の手間を減らす」準備が重要です。
Q4. 要介護になった時、在宅vs施設どう判断すべき?
判断基準(1)要介護1-2は在宅(訪問介護・デイサービスで月5-10万、介護保険1割負担)、(2)要介護3以上は施設検討(24時間介護必要、特養or介護付き有料ホーム)、(3)配偶者の介護力(妻67歳の体力次第、認認介護は危険)、(4)経済力(施設費用月20万×10年=2,400万確保できるか)。阿久津さん夫婦の場合、家じまい後のマンションを売却すれば施設入居一時金+月額費用を5-7年カバー可能、要介護3-4時点での施設入居が現実的な判断ラインです。
Q5. 家庭菜園・囲碁などの趣味を老後も続けるコツは?
70代後半以降も趣味継続は健康寿命を伸ばす最重要要素。(1)家庭菜園は戸建て→マンションでベランダ菜園・市民農園(年1-2万)に移行、(2)囲碁は地元囲碁クラブ・オンライン囲碁(幽玄の間等)で継続(80代でも対局可能)、(3)写真は機材ダウンサイジング(一眼→スマホ)で身体負担軽減、(4)温泉は日帰り湯・スーパー銭湯で近場に切替(75歳以降は遠出リスク)。趣味の月予算3-5万を確保しつつ、「身体負担を軽減する形」にリフォームしながら継続するのがポイントです。
Q6. 妻を残して先立つ場合の経済的手当ては?
阿久津さん(70歳男性)の平均余命は約16年、妻(67歳女性)は約23年で妻が7-10年長生きする確率高。妻の遺族厚生年金は阿久津さんの厚年の3/4=月12万+妻自身の基礎年金6.5万+厚年分1万=月19.5万(年234万)。マンション完済済なら生活可能水準。追加対策(1)生命保険(500万の終身保険、相続税非課税枠活用+葬儀費200万確保)、(2)妻の家計管理能力向上(夫生前に口座・保険・年金の手続き共有)、(3)近居の子に連絡先リスト引継ぎ。夫婦ふたりで「お互いが残された時の備え」を共有することが最大の対策です。
06人生年表:1956年〜2050年(94歳想定)
1956年・山形県生まれ、国家公務員(林野庁→環境庁→地方出先)40年のキャリア、60歳定年→65歳まで再任用、70歳で完全リタイア5年目。共済年金+退職金1,850万の「公務員パッケージ」で平均的な老後を築いた世代。戸建て購入→完済→家じまいという戦後生まれの典型的住居ライフを辿る。
- 1956年 3月0歳山形県酒田市生まれ、農家の次男
- 1974年 4月18歳県立高校卒業、地方国立大学(農学部)入学
- 1978年 4月22歳国家公務員中級職で林野庁採用、初任給月8.5万円
- 1982年 10月26歳同職場の妻・節子さんと結婚、社宅入居
- 1985年 5月29歳長男誕生、所沢市の戸建て(新築4LDK・2,850万)購入、住宅ローン35年
- 1988年 8月32歳長女誕生、バブル期にローン繰上げ返済を検討するも育児優先で見送り
- 1995年 4月39歳環境庁(当時)に異動、係長昇任
- 2003年 6月47歳課長補佐昇任、年収780万到達
- 2013年 3月57歳住宅ローン完済(繰上げ+ボーナス返済で2年短縮)
- 2016年 3月60歳定年退職、退職金1,850万受領、再任用制度で65歳まで継続
- 2018年 8月62歳父(92歳)他界、山形の実家相続(弟と折半、現在も空き家管理中)
- 2021年 3月65歳完全リタイア、共済年金+基礎年金で月22.5万、妻の年金月7.5万と合算で月30万
- 2022年 5月66歳趣味拡充期・家庭菜園本格始動、地域囲碁クラブ入会、週1温泉(近隣スーパー銭湯)
- 2024年 10月68歳戸建て外壁・屋根メンテで230万支出、築39年の維持コストの重さを実感
- 2026年 4月70歳(現在)現在地・家じまい計画を子2人と合意、2027年春マンション移転決定
- 2027年 3月71歳戸建て売却(見込1,400万)、所沢駅徒歩7分の築浅マンション(2,200万)購入予定
- 2029年 8月73歳運転免許返納想定、徒歩+電動アシスト自転車生活へシフト
- 2036年80歳要支援〜要介護1到達想定、在宅介護で夫婦支え合い
- 2041年85歳夫婦いずれかの介護度進行想定、マンション売却(2,000万想定)で介護ホーム一時金に充当
- 2050年94歳男性平均余命到達点・遺族年金+子のサポートで配偶者側生活継続
07月次マネーフロー(年金+貯蓄取崩 月30万)
共済年金世帯の月次キャッシュフローを可視化。世帯年金月30万(阿久津22.5万+妻7.5万)に対し支出30万、ほぼ均衡だが家の固定費(戸建て維持8万)が重く、家じまい後は月4万の余裕が生まれる設計。
※月収入35.3万に対し支出30.3万、月+5万の黒字だが、実際は年1回の旅行・家電買替・税金で吸収され年間ほぼゼロ。戸建て維持費8万が重く、2027年家じまい後はマンション維持4万で月4万の余裕増。趣味3.5万は高齢期QOLの生命線、削らない方針。
日次マネー日記|2026年4月の典型1ヶ月
阿久津さんの「完全リタイア5年目・戸建て老夫婦」のリアルな1ヶ月。陶芸教室・畑・囲碁・孫との交流という公務員リタイアの王道生活、戸建て維持費の重さもありありと見える。
お金の苦労エピソード3選
40年の厚生省勤務と完全リタイア5年目までの人生で「お金で本気で悩んだ」3つの局面。地味な公務員人生にも、家計が揺れた瞬間は確実にあった。
エピソード1:1985年・所沢戸建て購入と住宅ローン金利7%時代
29歳、結婚3年目で所沢戸建て(当時土地坪50万×40坪+建物1,400万=計3,400万)を購入決断。住宅ローン2,400万(35年固定金利7.5%)、頭金1,000万は両親援助300万+夫婦貯金700万で調達。毎月返済16.5万は当時の手取28万の6割近くを占め、バブル期突入前の固定金利時代の厳しさを味わった。妻(27歳・専業主婦)は第1子妊娠中で退職したばかり、月の家計は食費4万・光熱費1.5万・雑費3万に厳しく抑える徹底した節約生活を4年間継続。1990年の住宅金融公庫金利引下げで繰上返済を早めた結果、当初予定より5年早く完済(2005年)できた。
エピソード2:2003年・両親同時入院と老老介護の費用負担
47歳、父(77歳)が心筋梗塞で入院→要介護3、母(74歳)も認知症初期で要支援2に同時認定。両親の所沢実家(阿久津宅から車で15分)に週3回通う「近距離介護」を3年間継続、デイサービス月6万・ヘルパー月4万の自己負担は両親の年金(父月14万+母月6万)でほぼカバーできたが、光男さん夫婦の実家改修(手すり・段差解消・風呂リフォーム)費用120万は全額自己負担。厚生省の多忙な部長時代(年休20日中の取得は5日)と介護の両立で、光男さんは持病の高血圧が悪化、初めて降圧剤を処方された。「親の介護は40代の退職金の次に大きな支出項目」と痛感した時期。
エピソード3:2018年・退職前の投資詐欺被害リカバリー
62歳、退職金2,380万受取直後、元同僚(当時64歳・早期退職者)から「退職金を賢く運用する非公開ファンド」を紹介される。月1%(年12%)の配当を謳う私募ファンド、信じて500万を投資。1年後、元本償還停止→ファンド運営者が詐欺容疑で逮捕、元本500万は現時点で100万弱の配当を受取った状態で焦げ付く。退職金の約2割を失った衝撃は大きく、妻への告白まで2ヶ月を要した。教訓として「元同僚の紹介でも、金融商品は自分の目で判断する」を徹底、以後は低コストインデックス投信とネット銀行定期預金のみに絞るシンプル運用へ回帰。詐欺被害を逆手に、地元自治会で「退職金詐欺を防ぐ会」を立ち上げ、高齢者向けセミナーを年4回開催する地域活動家になった。
家族の金銭観・5つの肉声
阿久津家3世代の「お金にまつわる肉声」。公務員夫婦の堅実な蓄財観、息子世代との価値観差、孫世代への遺贈・教育資金の意思を率直に記録。
💭 COLUMN|公務員世帯の金銭観の世代変遷
父(昭和10年生・地銀員)の「終生持ち家」哲学→阿久津さん(昭和31年生・国家公務員)の「家じまいで老後身軽」志向→長男(昭和58年生・IT企業)の「家は一生に1-2回買い替えるもの」観へ、3世代で家への執着が大きく変化。阿久津さんの世代は「親世代の終生持ち家を引き継がず、子世代の流動性を取り入れた橋渡し世代」と言える。
08意思決定ログ:人生3つの転機
阿久津家の財務的な人生を決めた3つの意思決定を、判断の時点に立ち戻って記録。結果論ではなく、当時の情報と迷いを再現することで、同じ立場の読者が自分の判断基準を得られる構成。
所沢戸建て購入:35年ローンを組むか、官舎継続か
1985年5月、長男誕生(3ヶ月)で3DK官舎(月2.2万)が手狭になった。妻・弘子(当時27歳)の実家が所沢市郊外で、通勤(霞ヶ関まで1時間10分)・育児の両立が可能。不動産屋に紹介された所沢市西部の新築4LDK戸建て(土地50坪・建物35坪・2,850万)、頭金350万+35年ローン2,500万(金利5.2%・月返済14万)。年収340万の公務員で月返済14万は家計の49%占有の重荷、バブル前夜で「今買わないと5年後は3倍」の雰囲気だった。妻の実家(当時父59歳・母56歳)が徒歩15分で、母が週3日の保育支援を申し出てくれた。義母の存在が購入決断を後押し、妻は「子育ては地域で」と前向き。1985年5月契約、10月入居、その41年後に「家じまい」の入口となる家の物語が始まった。
「満男さん、うちは家から車で20分、歩いても30分の距離。孫の世話は週3日でも週5日でも、私(義母)が喜んでやるから、仕事に専念して。所沢で子育て、一緒にできるのが嬉しい。」──義母(56歳・当時)
「バブル前夜の住宅購入は『月返済14万』の今だけを見ると苦しいですが、10年後の物価・金利・不動産価格を考えれば明らかに買い時です。公務員は金利優遇も受けられ、団信で万一も家族が守られます。」──住宅FP(1985年当時・40代男性)
FOR ─ 購入
子育て環境/官舎退去不要/ローン完済後は資産化/妻実家近郊で育児支援AGAINST ─ 官舎継続
返済負担軽/転勤可能性残/金利高止まり定年後:再任用か完全退職か
2016年3月、国家公務員を31年勤めた満男は60歳定年を迎えた。退職金1,850万を即受領、妻(当時56歳・事務パート年収130万)、長男(当時30歳・独立)・長女(当時28歳・独立)、住宅ローン完済済(2013年57歳時)、預貯金1,900万と家計は健全。再任用制度で65歳まで年収450万(現役の60%)で継続可能、年金満額受給(65歳)までの空白期間を埋める設計。同期20名のうち10名は再任用、10名は完全退職で世界一周旅行や家庭菜園に切り替え。満男の判断基準は①60代前半の体力を「稼ぐ」に使うか「自由」に使うか②退職金1,850万を取り崩さずに65歳まで温存できるか③社会との接点維持。妻は「あなたが家にずっといるのは慣れない、再任用のほうがお互い楽」と率直に言い、決定打になった。再任用5年間の累計2,250万が70歳時点の金融資産2,400万形成に大きく寄与した。
「あなたが朝8時に出かけて夕方6時に帰ってくる生活リズムが、私にとっても一番ありがたい。急に家にずっといられると、私のパートリズムが崩れちゃう。65歳までは再任用で働いて。」──妻(56歳・事務パート)
「再任用5年で累計2,250万。これを貯蓄に回せば65歳時点の金融資産は再任用なしの1,700万から+2,250万=3,950万に。70歳時点で70代以降の取崩ペースが月8万→月5万に改善します。経済合理性としては再任用一択です。」──年金アドバイザー(50代・年金事務所)
FOR ─ 再任用
年金満額受給までの空白期間を埋める/退職金温存/社会接点AGAINST ─ 完全退職
自由時間/健康寿命のうちの旅行家じまい:戸建て維持 vs マンション移転
2026年2月、満男70歳・弘子68歳。築41年戸建ての外壁屋根メンテ(230万)を完了したばかりだが、建築会社から「次の大規模修繕は屋根葺替・給湯器更新で500万必要、5年以内に対応推奨」と通告された。冬の寒さ(断熱性能の低い昭和60年築)で妻の血圧が上昇、階段(2階寝室)昇降で膝に負担、庭の手入れ・雪かきで腰痛悪化の日々。子2人の帰省は年2回程度(盆と正月)、長男(40歳・大阪・既婚子2人)は「帰省拠点として残したい、子どもたちが駆け回れる庭が好き」と維持派、長女(38歳・川崎・既婚子1人)は「両親の体が一番、マンション移転に賛成」と意見対立。2026年1月の家族会議で3時間議論、長男の妻(38歳)が「帰省拠点はホテルで十分、義父母の健康が優先」と場を収め、長男も渋々同意。2027年春の引越しを決定した。
「お父さんお母さん、申し訳ない。僕は『帰省したい拠点』にこだわって、お父さんたちの体のことを後回しにしてた。長女の言う通り、マンション移転に賛成する。帰省はホテルで十分。」──長男(40歳・大阪・既婚)
「『家じまい』は認知能力が残る70代前半が最後のチャンス。80代で認知症発症後の不動産売却は、成年後見人選任で手続が複雑化し価格も2-3割下がります。今の決断は経済的にも家族的にも最適タイミングです。」──相続・不動産専門FP(60代男性)
FOR ─ 移転
バリアフリー/維持費月-4万/体力・判断力ある今が最適期/相続の簡素化AGAINST ─ 維持
41年の思い出/引越コスト150万/菜園撤退09世帯バランスシート(70歳時点・共済年金世帯)
2026年4月時点の阿久津家の純資産は+3,800万(資産3,800万−負債0円)。住宅ローン完済済み、負債ゼロの完全キャッシュ型BS。戸建ての市場価値1,400万を含めると資産3,800万、家じまい後はマンション2,200万+金融資産1,380万=3,580万に再編される。
※共済年金世帯の典型的なBSパターン。負債ゼロ・流動性高(預金1,420万)・不動産比率37%で、家じまい後は不動産比率58%(マンション2,200万/総資産3,780万)に上昇。純資産3,800万の水準は70歳夫婦世帯の上位25-30%圏、共済年金の強固さ+住宅ローン計画完済+退職金温存の3点セットが結実した形。後期高齢期の介護費用を考慮すると、現金比率を維持しつつ運用は保守的(国内債券・定期中心)が合理的。
阿久津光男の愛読書(公務員・年金・家じまい)
40年の厚生官僚キャリアとリタイア5年目を支えた愛読書7冊。行政実務・年金制度・晩年設計の3軸で選んだ座右の書。
1. 『行政法』塩野宏/有斐閣
入省後に法学部出身として改めて読み返し、霞が関実務の理論基盤とした定番書。厚生労働行政の政策立案時に参照し続けた2,000ページ超の法学体系書。
2. 『公務員の仕事の設計図』定野司/学陽書房
40代前半で課長補佐職を担った時、「公務員の仕事の流儀」を改めて整理するために読了。決裁文書の書き方・稟議プロセス・対外折衝の作法など、地味な業務スキルの体系化に役立った一冊。
3. 『年金制度のすべてがわかる本』社会保険庁 OB執筆/法研
厚生省で年金制度の改定会議に関わった時期の愛読書。自分の仕事の対象が「国民の生活設計」であることを常に意識させる実務書。55歳以降は自分の年金受給設計の参考書としても機能。
4. 『老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路』野澤千絵/講談社現代新書
60歳前後で読了、家じまい検討の理論的支柱となった本。全国800万戸の空き家問題と自分の所沢戸建ての10年後を重ね合わせ、マンション移転を決断するキッカケとなった書。
5. 『家じまい 死じまい 整理の極意』ジェーン・スー/文藝春秋
家じまい検討を本格化した67歳時に読了。物理的な住居の処分だけでなく、40年間蓄積した家財・書類・趣味の道具の仕分けという精神的な整理作業の重要性を教えてくれた実用書。
6. 『定年バカ』勢古浩爾/SB新書
完全リタイア後に出会った「定年後生活の肩の力を抜く処方箋」。何もしない時間を罪悪視せず、囲碁・家庭菜園・写真などの「無目的の楽しみ」を堂々と享受する哲学を支持する書。
7. 『60歳からの家計見直し術』横山光昭/三笠書房
リタイア後の家計運営の実用書。固定費削減(保険見直し・通信費・戸建維持費)の具体手法を網羅しており、家じまい後の月予算設計(マンション移転で維持費を月8万→月3万に圧縮)の参考書として毎年読み返す。
関連する109人の現在地
阿久津光男さんの人生に交差する5人を109人プールから選定。国家公務員×完全リタイア×家じまい×夫婦年金×孫世代の論点で重なる隣人たち。