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防火水槽・消防用水の必要水量計算

【ご注意】このページの計算結果・情報は参考値です。正確性・最新性は保証できません。税務・法務・お金・設計・施工・安全などに関わる判断は、公式の資料と専門家の確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。免責事項

敷地面積・床面積・構造から、消防用水の必要水量・不足容量・追加する水槽の基数を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

防火水槽・消防用水の必要水量計算ツール

消防用水は、①敷地面積が20,000平方メートル以上で、かつ1階と2階の床面積の合計が構造に応じた基準面積以上の建築物(消防法施行令第27条第1項第1号)と、②高さ31mを超え、かつ延べ面積(地階を除く)が25,000平方メートル以上の建築物(同第2号。敷地面積は問わない)に求められます。

必要な有効水量は、①なら床面積を耐火7,500・準耐火5,000・その他2,500平方メートルで、②なら延べ面積を12,500平方メートルで割り、1未満の端数を切り上げた数に20立方メートルを掛けた量以上です(同条第3項第1号)。設置対象かどうかの判定に使う面積(15,000・10,000・5,000)とは別の数字なので注意してください。

既定値では敷地25,000平方メートル、耐火建築物、床面積18,000平方メートル(高さ20m)なので①に該当し、18,000÷7,500=2.4を切り上げた3単位×20立方メートルで、必要水量は60.0立方メートル。既設がなければ不足は60.0立方メートルで、1基40立方メートルの水槽なら2基、費用は7,000,000円となります。

構造別の基準面積

建築物の区分設置対象となる規模水量の算定(この面積で割る×20立方メートル)
耐火建築物敷地20,000平方メートル以上かつ床面積15,000平方メートル以上床面積÷7,500平方メートル
準耐火建築物敷地20,000平方メートル以上かつ床面積10,000平方メートル以上床面積÷5,000平方メートル
その他の建築物敷地20,000平方メートル以上かつ床面積5,000平方メートル以上床面積÷2,500平方メートル
高層の建築物(第2号)高さ31m超かつ延べ面積(地階を除く)25,000平方メートル以上(敷地面積は問わない)延べ面積÷12,500平方メートル

出典:消防法施行令第27条。第1号の床面積は1階と2階の床面積の合計で判定します。いずれにも該当しなければ消防用水の設置義務はありません。

消防用水として認められる主な形態

形態特徴留意点
地下式の防火水槽敷地を有効に使える吸管投入孔とマンホールが必要
地上式の貯水槽点検が容易設置面積を要する
池・プール既存の施設を活用できる年間を通じた水量の確保が条件
河川・用水路追加の設置が不要取水位置と消防車の部署が条件

※参考計算です。消防法令は改正されることがあるため、最新の条文と所轄消防機関の運用を確認してください。

防火水槽・消防用水の必要水量計算の詳しい解説

消防用水が大規模な建築物にだけ求められるのは、公設の消火栓だけでは水量が足りなくなる場面を想定しているためです。市街地の消火栓は配管の口径によって取り出せる水量に上限があり、大きな建物で複数の隊が同時に放水すると圧力が落ちます。そこで敷地の中に独立した水源を確保し、消防車が直接吸水できるようにしておく仕組みが設けられています。判定に1階と2階の床面積の合計を使うのは、消防隊が地上から到達して活動する範囲がその階層に集中するという考え方によります。高層部分は屋内消火栓やスプリンクラーなど建物側の設備で対応する前提です。

判断が分かれるのは、既存の水利をどこまで算入するかです。敷地内の池やプール、隣接する河川や用水路も、必要な水量が年間を通じて確保でき、消防車が部署して吸水できる位置にあれば消防用水として扱える場合があります。しかし渇水期の水位や、駐車場に車が置かれて消防車が寄れないといった事情で、実際には使えないと判断されることもあります。図面上で成立するかではなく、消防活動として成立するかで判断される点が実務の難しさです。将来の敷地利用の変更まで見込んで位置を決めておく必要があります。

見落とされやすいのは、水量だけでなく吸水の条件が定められている点です。有効水量とは実際に吸い上げられる量を指し、水槽の底部に残る分や吸管が届かない深さは含められません。吸管投入孔の位置や大きさ、消防車が部署できる空地の確保、建物からの距離といった要件も併せて満たす必要があります。容量だけを大きくしても、消防車が寄れない位置にあれば有効な水利とは認められません。条文では、建築物の各部分から一の消防用水まで水平距離100m以下、1個の有効水量20立方メートル以上、消防ポンプ自動車が2m以内に接近できること、地盤面下の水槽は地盤面から4.5m以内の部分の水量を有効水量とすることが定められています(令第27条第3項)。

条件による違いとして、構造による基準面積の差が大きく効きます。設置対象の判定では耐火建築物は15,000平方メートル、その他の建築物は5,000平方メートルと三倍の開きがあり、同じ規模でも構造次第で義務の有無が変わります。水量の算定に使う面積(7,500・5,000・2,500平方メートル)も構造で変わります。また敷地に複数の建物がある場合の扱いや、増築で床面積が基準を超える場合の遡及の有無は、個別の判断になります。消防長等が認める場合の特例(令第32条)が適用されることもあるため、計画の段階で所轄の消防機関と協議してください。

業界・現場での使い方

大規模施設の設計計画

敷地と床面積から必要水量を算定し、水槽の位置と基数を計画に織り込みます。

工場・物流施設の増築検討

床面積が基準を超えた場合に必要となる水量と費用を試算します。

既存施設の水利の点検

既設の有効水量と必要量を比較し、不足がないかを確認します。

概算費用の把握

追加で必要な基数から設置費用を見積もり、予算計画に反映します。

よくある間違い・注意点

  • 水槽の全容量を有効水量として数える — 吸い上げられない底部の水は含められず、実際の有効水量は小さくなります。
  • 延床面積で判定する — 第1号の判定・算定に用いるのは1階と2階の床面積の合計で、延床面積ではありません(高さ31m超の第2号は延べ面積で判定・算定)。
  • 判定の面積で水量を割る — 水量は耐火7,500・準耐火5,000・その他2,500平方メートルで割って算定します。判定用の15,000などで割ると必要量が半分になります。
  • 構造の違いを考えない — 耐火・準耐火・その他で基準面積が三倍まで開き、義務の有無が変わります。
  • 水量だけを確保する — 吸管投入孔や消防車が部署できる空地など、吸水の条件を満たす必要があります。
  • 池やプールを無条件に算入する — 渇水期の水量や車両の接近可否によって、水利として認められない場合があります。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

床面積18,000平方メートルだと何立方メートル必要ですか?

耐火建築物なら水量は7,500平方メートルで割って算定します(設置対象の判定に使う15,000平方メートルとは別の数字です)。18,000÷7,500=2.4を切り上げて3、1単位20立方メートルとして60.0立方メートル以上が必要です。

敷地が20,000平方メートル未満なら不要ですか?

第1号(敷地20,000平方メートル以上)の対象からは外れますが、高さ31mを超え、かつ延べ面積(地階を除く)が25,000平方メートル以上の建築物は、敷地面積に関係なく対象です(令第27条第1項第2号)。屋内消火栓やスプリンクラーなど他の設備の基準も別に適用されます。

プールを消防用水として使えますか?

年間を通じて必要な水量が確保でき、消防車が部署して吸水できることが条件になります。所轄との協議が必要です。

有効水量とは何ですか?

実際に吸い上げられる水量を指します。水槽の底部に残る分や吸管が届かない範囲は含みません。地盤面下に設ける水槽は、地盤面から4.5m以内の部分の水量だけが有効水量です(令第27条第3項第1号)。

水槽1基の容量に決まりはありますか?

1個の消防用水の有効水量は20立方メートル以上(流水なら毎分0.8立方メートル以上)とする定めがあります。建築物の各部分から一の消防用水まで水平距離100m以下となるよう配置し、必要水量に応じて複数基に分けます。

設置費用の目安はどのくらいですか?

地下式の防火水槽で40立方メートル級なら300万円から600万円程度が目安です。地盤や施工条件で幅があります。

増築の場合も適用されますか?

増築後の床面積で判定します。既存部分への遡及の有無は個別の判断となるため確認が必要です。

維持管理で必要なことはありますか?

水量の確保と吸管投入孔の点検が求められます。点検の周期は消防用設備等の点検制度に従います。