復興特別所得税 計算ツール|2.1%加算分の即算・源泉徴収率一覧・年税額別早見表
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2013年から所得税額に上乗せされている復興特別所得税(2.1%。2027年分からは1.1%+防衛特別所得税1%、課税は2047年まで)を瞬時に計算。所得税額からの直接計算に加え、源泉徴収対象金額からの割戻しにも対応。報酬10.21%・20.42%、特定口座20.315%、預金利子15.315%等の合成率も網羅。国税庁公式資料に基づき解説します。
復興特別所得税(復興税)は、その年の所得税額(基準所得税額)に2.1%を掛けた額を、所得税と併せて納める国税です。2013年分から課されています。源泉徴収では所得税率に1.021を掛けた率で差し引かれ、10%は10.21%、15%は15.315%、20%は20.42%になります。
令和8年度の税制改正で、2027年1月1日以後に生ずる所得からは復興特別所得税が1.1%に下がり、新しくできる防衛特別所得税1%と合わせて合計2.1%になります。合計の率は変わらないため、源泉徴収の率(10.21%など)も変わりません。復興特別所得税の課税期間は2037年末から10年延びて、2047年12月31日までになりました。
出典:国税庁「防衛特別所得税及び復興特別所得税(源泉徴収関係)Q&A」(令和8年5月)、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法
復興特別所得税 計算機
計算式と考え方
復興特別所得税は「基準所得税額×2.1%」で計算される追加課税です。控除・還付を差し引いた最終的な所得税額が計算のベースになります。
復興特別所得税 = 基準所得税額 × 2.1%(2026年分まで)
2027年分以後:復興特別所得税 = 基準所得税額 × 1.1%、防衛特別所得税 = 基準所得税額 × 1%(合計2.1%)
合計税額 = 基準所得税額 × (1 + 0.021) = 基準所得税額 × 1.021
基準所得税額 = 合計税額 ÷ 1.021
上乗せ分(復興税+防衛税)= 合計税額 - 基準所得税額
源泉徴収の合成率
実務では、給与・報酬・利子・配当の源泉徴収時に「所得税+復興税」を合算した合成率が適用されます。例えば報酬源泉10%は「10% × 1.021 = 10.21%」に、預金利子15%は「15% × 1.021 = 15.315%」になります。復興税だけを別で徴収するのではなく、最初から合成率で天引きされているのが実態です。
2027年1月1日以後に生ずる所得については、2.1%のうち1.1%が復興特別所得税、1%が防衛特別所得税になります(合計2.1%・合成率は同じ)。この計算機で「対象の年分」を2027年分以後にすると、上乗せ分2.1%を復興特別所得税(1.1%分)と防衛特別所得税(1%分)に分けて表示します。
制度の歴史と根拠法
創設の経緯
2011年3月11日の東日本大震災の復興財源を確保するため、2011年12月に「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(復興財源確保法)」が成立。この法律に基づき、2013年1月1日から所得税額に2.1%を上乗せする形で復興特別所得税が課税されています。当初の課税期間は2037年12月31日までの25年間でしたが、令和8年度税制改正で2047年12月31日まで延長されました。
個人住民税均等割の復興財源加算
並行して、個人住民税の均等割にも年1,000円(都道府県500円+市町村500円)が2014〜2023年の10年間加算されていました(既に終了)。所得税側の復興特別所得税は2047年まで(2027年分からは税率1.1%)継続する点に注意。
2027年からの防衛特別所得税と期間延長
令和8年度税制改正で、2027年1月1日以後に生ずる所得から復興特別所得税の税率が2.1%から1.1%に下がり、新たに防衛特別所得税(所得税額の1%)が課されます。合計は2.1%のままで、源泉徴収の合計税率(10.21%など)も変わりません。あわせて復興特別所得税の課税期間は2037年12月31日から10年延び、2047年12月31日までになりました。詳しくは国税庁|防衛特別所得税及び復興特別所得税(源泉徴収関係)Q&A(令和8年5月)を確認してください。
源泉徴収率の合成表
主な取引で適用される「所得税+復興特別所得税」の合成率一覧です。国税庁「源泉徴収のあらまし」に基づく2026年8月現在の値。
| 対象 | 所得税率 | 復興特別 | 合計徴収率 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|
| 原稿料・講演料・デザイン料(100万円以下) | 10% | 0.21% | 10.21% | 所法204① |
| 原稿料・講演料(100万円超部分) | 20% | 0.42% | 20.42% | 所法205 |
| 司法書士・行政書士・税理士等の報酬 | 10% | 0.21% | 10.21% | 所法204① |
| 弁護士・公認会計士報酬(100万超部分) | 20% | 0.42% | 20.42% | 所法205 |
| 上場株式配当(大口以外) | 15% | 0.315% | 15.315%(+住民税5%) | 措法9-3 |
| 特定口座(源泉徴収あり)譲渡益 | 15% | 0.315% | 15.315%(+住民税5%) | 措法37-11-4 |
| 預貯金利子 | 15% | 0.315% | 15.315%(+住民税5%) | 所法182 |
| 非居住者の国内給与 | 20% | 0.42% | 20.42% | 所法213① |
| 退職手当等(「退職所得の受給に関する申告書」の提出がない場合) | 20% | 0.42% | 20.42% | 所法201③ |
| NISA口座内の配当・譲渡益 | 0% | 0% | 非課税 | 措法9-8 |
「所得税+復興税」合成率と住民税分(5%)を合わせた最終負担率は、上場株式配当で20.315%、特定口座譲渡益で20.315%、預金利子で20.315%(うち住民税5%分は支払をする金融機関等が併せて特別徴収)となります。
年税額別 復興特別所得税 早見表
基準所得税額(年間)ごとの復興特別所得税額と合計税額の早見表。確定申告時に自分の税額目安を素早く確認できます。
| 基準所得税額 | 上乗せ分(2.1%) 2026年分まで:全額が復興特別所得税 2027年分以後:復興1.1%+防衛1% | 合計税額 |
|---|---|---|
| 10,000円 | 210円 | 10,210円 |
| 50,000円 | 1,050円 | 51,050円 |
| 100,000円 | 2,100円 | 102,100円 |
| 200,000円 | 4,200円 | 204,200円 |
| 300,000円 | 6,300円 | 306,300円 |
| 500,000円 | 10,500円 | 510,500円 |
| 1,000,000円 | 21,000円 | 1,021,000円 |
| 2,000,000円 | 42,000円 | 2,042,000円 |
| 5,000,000円 | 105,000円 | 5,105,000円 |
| 10,000,000円 | 210,000円 | 10,210,000円 |
年収別のおおよその復興特別所得税額目安(給与所得のみ・独身無扶養・社会保険料は年収の15%で概算。2026年分=令和8年分の給与所得控除と基礎控除で計算):年収400万円→約1,200円、年収600万円→約3,000円、年収800万円→約8,800円、年収1,000万円→約15,900円。基礎控除が48万円から104万円(合計所得489万円超は67万円・62万円)に引き上げられたぶん所得税が下がり、その2.1%である復興特別所得税も改正前より小さくなります(改正前はそれぞれ約1,800円・約4,200円・約9,600円・約16,500円でした)。
使い方の実例
フリーランスの報酬源泉10.21%
ライター報酬20万円→源泉徴収20,420円。うち所得税20,000円、復興税420円。翌年の確定申告で総合課税し、源泉税額を控除。ツールで内訳を即確認可能。
特定口座譲渡益の20.315%
株式売却益100万円→源泉203,150円。うち所得税153,150円、復興税3,150円、住民税50,000円。特定口座(源泉あり)なら確定申告不要で完結。
会社員の年末調整後の復興税
基準所得税が15万円なら復興税3,150円、合計153,150円。給与源泉時に既に合成率で徴収されているため、年末調整で最終確定。
個人事業主の確定申告書作成
所得税額欄の下に「復興特別所得税額」欄あり。2026年分までは基準所得税額×2.1%を記入し、合算した金額が最終納付額。2027年分以後は復興特別所得税1.1%と防衛特別所得税1%に分かれます(記入欄は国税庁のその年分の手引きで確認)。e-Taxでは自動計算。
不動産賃料の源泉20.42%
非居住者への賃料100万円→源泉204,200円。うち所得税200,000円、復興税4,200円。海外オーナー物件の家賃管理で必ず発生する処理。
2047年までの累計試算
所得税額が毎年同じなら、2026年分は所得税額の2.1%、2027〜2047年分は1.1%が復興特別所得税です(別に防衛特別所得税1%)。ツールの残存年数(2047−現在)の表示で目安を確認できます。
よくある間違い
- 復興税を別途徴収と誤解 ― 源泉徴収では最初から合成率(10.21%等)で天引きされているため、二重に取ることはありません。
- 「10%源泉」と勘違いして経理処理 ― 2013年以降、報酬源泉は必ず10.21%または20.42%です。10%ちょうどで計算すると復興税分だけ源泉不足になり、支払調書が合わなくなります。
- 住民税に復興税がかかると誤認 ― 復興特別所得税は所得税にのみ加算。住民税側の復興財源加算(年1,000円均等割上乗せ)は2014-2023年で既に終了しています。
- 源泉徴収票の税額を復興税込みで計算 ― 給与所得の源泉徴収票の「源泉徴収税額」は既に復興税込み。改めて2.1%を掛けると二重計上になります。
- 還付申告で復興税を忘れる ― 医療費控除等での還付申告時、所得税還付額に対応する復興税分も還付対象。控除計算に含めることを忘れずに。
- 2037年で終わると思い込む ― 令和8年度税制改正で課税期間は2047年12月31日まで延長されました。2027年分からは復興特別所得税1.1%+防衛特別所得税1%(合計2.1%)です。
- NISA口座に復興税がかかると誤解 ― NISA口座(新NISA含む)内の配当・譲渡益は所得税・復興税・住民税すべて非課税。特定口座と混同しないように。
関連する法令・様式
- 復興財源確保法(2011年法律第117号) ― 復興特別所得税・復興特別法人税・個人住民税均等割上乗せの根拠法。第9条以下で税率・課税期間を規定。
- 所得税法 ― 源泉徴収の対象・税率の一般規定。第204条(報酬源泉)、第181条(利子源泉)等。
- 租税特別措置法 ― 上場株式配当・特定口座譲渡益の税率規定。第9条の3・第37条の11。
- 復興特別所得税法施行令・施行規則 ― 具体的な計算方法・還付ルール。
- 確定申告書 第一表・第三表 ― 所得税額の下段に「復興特別所得税額」の記入欄。2026年分までは基準所得税額×2.1%を記入(2027年分以後は復興1.1%・防衛1%に分かれる)。
- 源泉徴収票様式 ― 給与所得・退職所得・報酬料金等の各様式で「源泉徴収税額」は復興税込みの合計額を記載。
参考文献・公的資料
- 国税庁|復興特別所得税の源泉徴収 ― 公式ガイド。源泉徴収税額の計算方法・徴収時期・納付方法。
- 国税庁|源泉徴収のあらまし ― 全種類の源泉徴収率と復興税合成率の一覧。年次更新版。
- 国税庁|タックスアンサー No.2260 所得税の税率 ― 所得税本税の累進税率表と復興税の加算ルール。
- e-Gov法令検索|復興財源確保法 ― 復興特別所得税の根拠法条文(2011年法律第117号)。
- 財務省|わが国の税制の概要 ― 復興特別所得税を含む所得課税全体の政策資料。
- 復興庁 ― 復興財源の使途・進捗の公式報告。
- 国税庁|統計情報 ― 復興特別所得税の税収実績(年次)。
- 総務省|個人住民税 ― 復興財源としての住民税均等割上乗せ(2014-2023年終了済み)の解説。
- 国税庁|所得税基本通達(源泉徴収関係) ― 通達レベルの実務ルール。
- 国税電子申告・納税システム(e-Tax) ― 電子申告で復興特別所得税は自動計算される。
よくある質問(FAQ)
2037年で終了しますか?
いいえ。令和8年度税制改正で課税期間が10年延長され、2047年(令和29年)12月31日までになりました。2027年1月1日以後に生ずる所得からは税率が2.1%から1.1%に下がり、別に防衛特別所得税1%が課されます(合計2.1%)。
住民税にも復興税はかかる?
住民税本体(所得割10%)には復興特別所得税は加算されません。ただし別途「個人住民税均等割の復興財源上乗せ(年1,000円)」が2014〜2023年の10年間だけありました(既に終了)。
確定申告書のどこに書く?
確定申告書第一表の所得税額欄の下に「復興特別所得税額」の専用欄があります。2026年分までは基準所得税額×2.1%を記入し、合算した金額が最終納付額。2027年分以後は復興特別所得税1.1%と防衛特別所得税1%に分かれます(記入欄は国税庁のその年分の手引きで確認)。e-Taxでは自動計算されます。
源泉徴収された税金は還付される?
年収178万円以下(2026年分=令和8年分。給与所得控除74万+基礎控除104万で所得税がゼロになる水準。改正前は103万円)や医療費控除等で還付申告する場合、源泉徴収された「所得税+復興税」の合計から本来納付すべき額を差し引いた差額が還付されます。復興税分だけ別で還付されるのではなく、まとめて還付処理されます。
報酬源泉の「10.21%」の内訳は?
所得税10%+復興特別所得税0.21%(10%の2.1%)=合成率10.21%。100万円超の部分は20.42%(所得税20%+復興税0.42%)です。2027年1月1日以後に生ずる所得については、所得税10%+復興特別所得税0.11%+防衛特別所得税0.1%で、合計は同じ10.21%です。取引先が源泉徴収して国に納付します。
特定口座の20.315%の内訳は?
所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%=合計20.315%。租税特別措置法の申告分離課税規定。特定口座(源泉徴収あり)を選択すれば確定申告不要で完結します。
NISA口座には復興税はかかる?
NISA口座(新NISA・つみたてNISA・成長投資枠)内の配当・譲渡益は、所得税・復興特別所得税・住民税のすべてが非課税です。特定口座と混同しないよう注意。
復興税を減免する方法は?
基準所得税額を下げることが唯一の方法です。iDeCo・小規模企業共済の全額所得控除、生命保険料控除、医療費控除、ふるさと納税等で所得税を圧縮すれば、連動して復興税も減ります。
復興税は法人にも課税された?
復興特別法人税は2012年4月〜2014年3月の2年間のみ実施され、既に終了しています。現在は個人向けの復興特別所得税のみが継続。
年末調整で復興税はどう処理?
給与源泉時に既に合成率(例:所得税5.105%)で天引きされているため、年末調整では所得税と復興税の合計額で精算されます。復興税だけを別で計算する必要はありません。
海外居住者(非居住者)の源泉は?
非居住者の国内源泉所得への源泉徴収も所得税20%+復興税0.42%=20.42%。租税条約で軽減される場合もあります(届出書提出必要)。
復興税の税収はどう使われている?
復興庁が所管し、被災地のインフラ復旧・住宅再建・産業復興・除染事業等に充てられています。年次の使途は復興庁ホームページで公表されています。