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Cv値Kv値有効断面積流量係数

Cv値・Kv値・有効断面積S 換算と流量計算

【ご注意】このページの計算結果・情報は参考値です。正確性・最新性は保証できません。税務・法務・お金・設計・施工・安全などに関わる判断は、公式の資料と専門家の確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。免責事項

Cv値と一次圧・二次圧を入れると、Kv値・有効断面積S・音速コンダクタンスC への換算と、そのバルブが実際に通せる空気(ANR)または水の流量、亜音速かチョークかの判定を算出します。電磁弁・調節弁・継手の選定に使います。

最終更新:2026-09-16/監修:計算ツールズ編集部

Cv値・Kv値・有効断面積S 換算と流量計算ツール

計算式

係数の換算は Kv=0.865×Cv、有効断面積は S≒18×Cv(mm²)、ISO 6358 の音速コンダクタンスは C≒S/5 です。空気の流量は二次側の絶対圧が一次側の半分より高い亜音速域で Q=226×S×√(ΔP×(P2+0.1013))×√(293/(273+t))、半分以下のチョーク域で Q=113×S×(P1+0.1013)×√(293/(273+t))(Q:L/min ANR、S:mm²、P:MPa)で求めます。

既定値の Cv1.0・P1 0.5MPa・P2 0.4MPa・20℃ では S=18mm²、絶対圧は 0.6013 と 0.5013MPa で亜音速域です。Q=226×18×√(0.1×0.5013)=4,068×0.2239=910.8L/min(ANR)、毎時 54.6m³ になります。水の場合は Q=45.59×Cv×√ΔP(MPa) で、同じ差圧なら 14.4L/min です。

流量係数の換算表

係数定義Cv=1 のとき主な使い手
Cv60°F の水が差圧 1psi で毎分流れる米ガロン数1.00米国系・調節弁・空気圧機器
Kv5〜30℃の水が差圧 1bar で毎時流れる m³数0.865欧州系・調節弁(IEC 60534)
有効断面積 S同じ流量を通す理想オリフィスの断面積(mm²)約18mm²日本の空気圧機器
音速コンダクタンス Cチョーク流れでの流量/一次絶対圧(dm³/(s·bar))約3.6ISO 6358・JIS B 8390

Cv値別の通過流量(空気:P1 0.5→P2 0.4MPa・20℃/水:ΔP 0.1MPa)

CvS(mm²)空気 L/min(ANR)空気 m³/h水 L/min
0.11.8915.51.4
0.23.618210.92.9
0.59.045527.37.2
1.01891154.614.4
2.0361,82210928.8
5.0904,55427372.1
101809,108547144

亜音速とチョーク流れの境界(二次側ゲージ圧)

一次側 P1(ゲージ)境界となる P2(ゲージ)P2 がこれ以下なら
0.3MPa0.099MPaチョーク流れ
0.4MPa0.149MPaチョーク流れ
0.5MPa0.199MPaチョーク流れ
0.6MPa0.249MPaチョーク流れ
0.7MPa0.299MPaチョーク流れ
0.9MPa0.399MPaチョーク流れ

※本ツールは理論式による参考計算です。機器の選定は各メーカーのカタログ値と安全率、および JIS・ISO と労働安全衛生法令の要求事項に従ってください。

Cv値・Kv値・有効断面積S 換算と流量計算の詳しい解説

流量係数は「そのバルブがどれだけ流しやすいか」を1つの数で表したもので、メーカーや業界によって Cv・Kv・有効断面積 S・音速コンダクタンス C と呼び名と単位が違います。Cv は米国由来で、60°F の水を差圧 1psi で毎分何ガロン流せるかを表します。Kv は同じ考え方をメートル法で定義し直したもので、差圧 1bar で毎時何 m³ の水を流せるかを示し、両者の比は 0.865 で固定です。有効断面積 S は日本の空気圧機器で長く使われてきた指標で、同じ流量を通す理想的なオリフィスの断面積に相当します。S と Cv の比は約18 とされますが、これは近似で、バルブの形状によって数%のずれが出ます。厳密な比較が必要なら ISO 6358 で定義された音速コンダクタンス C と臨界圧力比 b の2つの値で表すのが正しく、カタログに C と b があればそちらを優先します。

空気の流量計算で最も大切なのは、圧縮性流体には流れの上限があるという事実です。一次側の絶対圧に対して二次側の絶対圧が約半分を下回ると、バルブの絞り部で流速が音速に達し、それ以上二次側の圧力を下げても流量は増えません。これがチョーク流れで、流量は一次側の絶対圧だけで決まります。反対に二次側が半分より高い亜音速域では、差圧と二次側圧力の積の平方根に比例して流量が変わります。実務では「排気側を大気開放しているのに思ったほど流れない」という相談が多く、ほとんどが一次側の圧力が低いか、S の小さい継手が直列に入っているかのどちらかです。

バルブ・継手・チューブが直列につながる回路では、全体の有効断面積は各要素の合成で決まります。合成値の逆二乗は各要素の逆二乗の和になるため、1つでも小さい S の部品があると全体がその値に引っ張られます。例えば S=18mm² の電磁弁に S=5mm² の継手をつなぐと合成は約4.8mm² まで落ち、電磁弁の能力の4分の1しか使えません。シリンダの速度が出ないときは、電磁弁だけでなく継手・スピードコントローラ・チューブ内径を含めた合成 S を見直す必要があります。

温度の影響は平方根で効くため小さいものの、無視できない場面があります。高温の空気は密度が下がるので同じ差圧で流れる質量は減り、式の √(293/(273+t)) がその補正です。100℃ なら 0.886 倍、−20℃ なら 1.076 倍になります。水の計算では非圧縮性なので圧力の絶対値は関係なく、差圧の平方根だけで流量が決まります。粘度の高い液体やスラリーでは補正が必要で、このページの水の式は常温の清水を前提にしています。

選定の手順としては、まずシリンダの速度から必要な流量を求め、次にその流量を所定の差圧で通せる S を逆算し、直列部品の合成が目標を上回るように各部品を選びます。差圧を大きく取れば小さいバルブで済みますが、その分シリンダに掛かる圧力が下がって推力を失うので、一般には供給圧の1〜2割を差圧に充てる程度が現実的です。バルブを大きくしすぎると応答が遅くなり消費電力も増えるため、必要流量の1.2〜1.5倍程度に収めるのが実務の落としどころです。

別の条件での計算例

Cv0.5(S=9mm²)の電磁弁で 0.5MPa の空気を大気に放出する場合、二次側の絶対圧 0.1013MPa は一次側 0.6013MPa の半分 0.3007 を下回るのでチョーク流れです。流量は 113×9×0.6013=611.5L/min で、二次側を 0.3MPa まで上げると絶対圧 0.4013 が境界を超えて亜音速になり、226×9×√(0.2×0.4013)=576.2L/min に減ります。二次圧を 0 から 0.3MPa に上げても流量は6%しか減らない一方、そこから先は急に落ちる、というのがチョーク流れの性質です。合成の例では、S18 の弁に S5 の継手を直列にすると 1/S²=1/324+1/25=0.04309 から合成 S=4.8mm² となり、弁の能力の27%しか使えません。この計算を回路の全部品で行い、いちばん小さい部品を太くするのが速度改善の近道です。

業界・現場での使い方

電磁弁の選定

シリンダ速度から必要流量を出し、供給圧の1〜2割の差圧で通せる Cv・S を持つ弁を選びます。継手やチューブとの合成も確認します。

調節弁のサイジング

プロセス配管では Kv で指定されることが多く、Cv からの換算と亜音速・チョークの判定が設計計算の前提になります。

エアブロー・パージのノズル設計

ノズルの有効断面積と供給圧からチョーク流れの流量を求め、空気消費量とコンプレッサ負荷を見積もります。

設備保全・速度不良の診断

シリンダの速度が出ないとき、回路の中で最も S の小さい部品を特定し、合成 S を計算して原因を切り分けます。

よくある間違い・注意点

  • ゲージ圧のまま亜音速・チョークを判定する — 判定は絶対圧の比で行います。P1 0.5MPa・P2 0.2MPa は絶対圧で 0.6013 と 0.3013 なので、ちょうど境界付近です。
  • S=18×Cv を厳密な値と思う — 近似です。正確な比較には ISO 6358 の C と b を使います。
  • 直列部品の S を足し算する — 合成 S は逆二乗和の逆数で、最も小さい部品に支配されます。足し算では過大評価になります。
  • 水の式を空気に使う — 空気は圧縮性で、二次圧を下げても流量が増えないチョーク流れがあります。式が違います。
  • バルブを大きくすれば速くなると考える — 継手・チューブ・スピードコントローラが細ければそこで律速されます。回路全体の合成 S で判断します。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

Cv値と Kv値の関係は?

Kv=0.865×Cv です。Cv は米ガロン・psi、Kv は m³/h・bar で定義された同じ性質の係数です。

有効断面積 S と Cv の関係は?

S≒18×Cv(mm²)が目安です。近似なので、正確にはカタログの C と b を使います。

チョーク流れとは何ですか?

二次側の絶対圧が一次側の約半分を下回ると絞り部で音速に達し、二次圧を下げても流量が増えなくなる状態です。

既定値でどれだけ流れますか?

Cv1.0・P1 0.5MPa・P2 0.4MPa・20℃で 910.8L/min(ANR)、毎時 54.6m³ です。

水の流量はどう計算しますか?

Q(L/min)=45.59×Cv×√ΔP(MPa)です。Cv1.0・差圧 0.1MPa で 14.4L/min です。

温度は流量にどう影響しますか?

√(293/(273+t)) を掛けます。100℃で0.886倍、−20℃で1.076倍です。

継手をつなぐと流量はどう変わりますか?

合成 S の逆二乗は各部品の逆二乗の和です。S18 の弁に S5 の継手をつなぐと合成は約4.8 になります。

ISO 6358 の C と b は何ですか?

C は音速コンダクタンス、b は臨界圧力比で、この2つで圧縮性流体の流量特性を正確に表します。

バルブはどのくらい余裕を持って選びますか?

必要流量の1.2〜1.5倍程度が目安です。大きすぎると応答が遅くなり消費電力も増えます。