計算ツールズ
電線管占積率電気工事内線規程JIS

電線管占積率 計算ツール|JIS/内線規程32%基準・厚鋼/薄鋼/PF/CD対応

【ご注意】このページの計算結果・情報は参考値です。正確性・最新性は保証できません。税務・法務・お金・設計・施工・安全などに関わる判断は、公式の資料と専門家の確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。免責事項

電線管サイズ・電線サイズ・本数から占積率を即算出、内線規程JEAC 8001の32%基準で判定。屋内配線設計・電気工事士試験・既設配管の増設可否判定に。厚鋼電線管G16〜G70(JIS C 8305の外径・厚さから求めた内径)とIV電線に対応し、屈曲が少なく引き入れが容易な場合の48%も判定します。電気設備技術基準・内線規程・JIS C 8305/8411の公的規格に基づき、電気工事の現場実務・将来増設余裕を考慮した実務設計をサポートします。

最終更新:2026-07-30/監修:計算ツールズ編集部

電線管占積率(JIS/内線規程)ツール

占積率の計算式

基本式

占積率(%) = (電線1本の断面積 × 本数) / 電線管内断面積 × 100

= (π × (電線外径/2)² × 本数) / (π × (管内径/2)²) × 100

電線管内径は実際の内径を使います。厚鋼電線管G22は外径26.5mm・厚さ2.3mm(JIS C 8305)なので内径は約21.9mmで、呼び「22」とは異なります。電線外径は絶縁被覆の外側までを含む仕上外径(メーカーカタログ値)を使います。

電気工事士試験の頻出計算例

「G22管に2.0mm(外径3.6mm)のIV線を3本収める場合の占積率は?」— 電線断面積合計 3 × π×1.8² = 30.5mm²、管内断面積 π×10.95² = 376.7mm²、占積率 30.5/376.7 = 8.1%で32%以内。電気工事士1種・2種筆記試験、認定電気工事従事者試験で頻出です。

占積率の基準(内線規程)

内線規程(JEAC 8001)の金属管配線では、電線の被覆を含む断面積の総和を管の内断面積の32%以下とする考え方が一般に使われ、管の屈曲が少なく電線の引き入れ・引き替えが容易な場合は48%以下まで認められています。同じ太さの電線を収める場合は、内線規程の表(電線の太さと本数ごとの管の太さ)で選ぶこともできます。

条件占積率の上限
一般(屈曲がある・引き替えを考える)32%以下
管の屈曲が少なく、電線の引き入れ・引き替えが容易48%以下

「1本53%・2本31%・3本以上40%」は米国の電気規程(NEC)の基準で、日本の内線規程の値ではありません。最終的な判断は最新の内線規程で確認してください。

電線管の種類

金属製電線管

種別呼び方特徴用途
厚鋼電線管G16・G22・G28…G104肉厚2〜4mm、耐衝撃性◎工場・屋外・埋設
薄鋼電線管C19・C25・C31…C75肉厚1.6〜2.0mm、軽量屋内隠蔽・露出
ねじなし電線管E19・E25・E31…E75ねじ切り不要・肉厚1.2〜1.6mm屋内隠蔽(住宅・オフィス)

可とう(フレキシブル)電線管

種別呼び方特徴用途
PF管PF16・PF22・PF28…PF54難燃性ポリエチレン屋内隠蔽(コンクリート内可)
CD管CD14・CD16・CD22…CD54合成樹脂、コンクリート専用コンクリート埋設のみ
金属可とう電線管F1・F2(プリカ)ステンレス製、屈曲性◎機器接続・振動箇所

PF管は難燃性で露出配管・隠蔽配管の両方に使えますが、CD管はコンクリート埋設専用で露出使用は電気設備技術基準違反。PF管の代替可否は事前に確認してください。

電線外径一覧(IV)

占積率は絶縁被覆を含む仕上外径で計算します。下はメーカーカタログ(600Vビニル絶縁電線 IV)の仕上外径の例で、製品によって多少異なります。HIV・EM-IEなどは製品のカタログ値を使ってください。

電線サイズ導体径(mm)IV仕上外径(mm)被覆を含む断面積
1.6mm単線1.63.28.0 mm²
2.0mm単線2.03.610.2 mm²
2.6mm単線2.64.616.6 mm²
2 sq より線1.83.49.1 mm²
3.5 sq より線2.44.012.6 mm²
5.5 sq より線3.05.019.6 mm²
8 sq より線3.66.028.3 mm²
14 sq より線4.87.645.4 mm²
22 sq より線6.09.266.5 mm²
38 sq より線7.811.4102.1 mm²

電線管サイズ別 収納本数早見(IV線・32%基準)

電線管(内径)2sq(3.4)3.5sq(4.0)5.5sq(5.0)8sq(6.0)14sq(7.6)22sq(9.2)
G16(16.4)7本5本3本2本1本1本
G22(21.9)13本9本6本4本2本1本
G28(28.3)22本16本10本7本4本3本
G36(36.9)37本27本17本12本7本5本
G42(42.8)50本36本23本16本10本6本
G54(54.0)80本58本37本25本16本11本
G70(69.6)134本96本62本43本26本18本

厚鋼電線管の内径(外径−2×厚さ)とIV電線の仕上外径で、占積率32%以下に収まる本数を計算した目安です。将来の増設や引き替えを考えるなら余裕を残します。

入線のしやすさと管長・曲げ

占積率が32%以内でも、配管が長い、または曲げが多いと入線が難しくなり、被覆を傷める原因になります。途中にプルボックス(接続箱)を設けて配管を分割すると入線作業性が確保できます。屈曲の箇所数・屈曲半径などの施工条件は内線規程と電技解釈で確認してください。

業界・現場での使い方

住宅屋内配線設計

分電盤〜コンセント・照明器具までの隠蔽配管サイズ選定。VVFケーブル配線が主流の戸建でも、PF管でのCVT・IV電線隠蔽ルートで占積率計算が必要。木造住宅の壁内配管の主要ルートに。

工場・倉庫の動力配線

制御盤〜モータ・機械への幹線、200V/400V動力配線。IV電線太物(22〜325sq)の複数条収納で、G54・G70の厚鋼電線管を使う場面。ケーブルラック配線との切替判断にも占積率が根拠。

オフィスビル・商業施設

EPS(電気シャフト)内の幹線ケーブル配管、各階分電盤への引下げ管、天井裏の分岐配管。増床時の増設可否判定に既設管の空き容量計算が必要。中規模改修で頻用。

既設配管への追加増設

「既存G28管に8sqを2本追加できるか」の判定。占積率だけでなく、既存電線の被覆状態、管内の曲がり回数(引き入れ張力)、湿気・錆の有無を実地確認したうえで判断。追加増設が難しい場合はケーブルラック敷設で並列化。

電気工事士試験対策

電気工事士1種・2種、認定電気工事従事者、電気主任技術者第3種試験の頻出計算問題。占積率計算の手順・判定基準を試験対策として使い、実技試験でも施工手順で必ず問われるポイント。

ソーラーパネル配線設計

PV(太陽光発電)システムのDC配線、モジュール〜接続箱〜パワコン間のCV・CVT配線。屋外・屋根裏の露出配管でPF管・厚鋼電線管を使い、直列本数10〜20本の収納設計に占積率計算が必須。

32%基準の根拠

「なぜ32%なのか」は、電気工事の現場実務上重要な問いです。内線規程が32%基準を採用する背景には以下の理由があります。

  1. 入線作業の物理的制約 — 電線を管内に引き込む際、断面積の1/3程度が実務上の入線可能限度。それ以上詰めると入線工具(呼び線・入線ワイヤー)が使えず、被覆損傷リスクが急上昇します。
  2. 発熱による電流減少(許容電流の低減) — 同一管内に多数の電線を収めると放熱が悪くなるため、電技解釈・内線規程では収める電線の本数に応じて許容電流を減らす電流減少係数を定めています(占積率とは別に確認が必要)。
  3. 電線交換・追加工事の余地 — 将来の改修時に電線を引き替え・追加できる余地を残すためです。
  4. 絶縁被覆保護 — 密着収納すると振動・熱膨張で被覆が擦れて損傷しやすくなり、絶縁不良・地絡事故につながります。適度な空隙が絶縁維持に必要です。

PF管・CD管の収納本数早見(IV線・32%基準)

可とう管近似内径 mm2sq(3.4)5.5sq(5.0)14sq(7.6)
PF16167本3本1本
PF222213本6本2本
PF282821本10本4本
PF363635本16本7本
CD222213本6本2本
CD282821本10本4本
CD363635本16本7本

PF管・CD管は呼び径がおおむね内径を表します(例:未来工業 MFS-16 は近似内径16mm)。実際の内径は製品で異なるため、メーカーのカタログ値で確かめてください。波付管は引き入れ時の摩擦が大きいため、入線剤を使うのが一般的です。

よくある間違い・注意点

  • 呼び径と内径の混同 — 厚鋼電線管G22の内径は約21.9mm、G28は約28.3mm(JIS C 8305の外径・厚さから)。薄鋼電線管(C)・ねじなし電線管(E)は呼びと外径の関係が違うため、管の種別ごとに実寸法で計算してください。
  • 米国NECの本数別基準と混同 — 「1本53%・2本31%」は米国NECの値で、日本の内線規程は32%(屈曲が少なく引き入れが容易なら48%)です。
  • 電線サイズを断面積で誤解 — 5.5sqは「電線導体の断面積」で、IV電線の絶縁被覆を含む外径は約5.0mm。占積率計算は必ず外径ベースで行ってください。導体断面積で計算すると占積率が実際の半分以下になり過小評価します。
  • PF管とCD管の混同 — 見た目は似ていますが、CD管はコンクリート埋設専用で露出・隠蔽配管に使えません。CD管を露出使用すると電気設備技術基準違反となり、電気工作物設置届でも指摘対象になります。
  • 入線困難を無視 — 占積率が32%以下でも、長距離配管(20m超)や曲がりが多いルート(90°曲がり4か所以上)では入線が困難。必要ならプルボックスを設置します。
  • ケーブル配線とIV配線の混同 — VVFケーブル・CVTケーブルの電線管収納は、単芯IV電線とは別基準。ケーブルの外径は各芯の外径×√本数ではなく、シース含む実測値。カタログ外径を必ず参照。
  • 湿気・屋外環境の割り増し無視 — 屋外配管・防水配管では、電線に厚めのシース(EM-CE等)を使うため、同じsqでも外径が大きくなります。屋外設備は屋内より1サイズ余裕を持たせるのが実務推奨。

関連する規格・法令

  • 電気設備技術基準(電技) ― 経済産業省令。電気工作物の技術基準の骨格。金属管工事は第4章第159条〜。
  • 電気設備技術基準の解釈(電技解釈) ― 電技を具体的に解釈した規程。金属管工事の詳細施工方法を規定。
  • 内線規程 JEAC 8001 ― 日本電気協会。占積率32%基準の根拠。電気工事の実務標準規程。
  • JIS C 8305 ― 鋼製電線管(厚鋼電線管G/薄鋼電線管E/ねじなし電線管C)の寸法・材料規格。
  • JIS C 8411 ― 合成樹脂製可とう電線管(PF管・CD管)の規格。
  • JIS C 3307 ― 600V ビニル絶縁電線(IV電線)の規格。
  • JIS C 3317 ― 600V 二種ビニル絶縁電線(HIV電線)の規格。
  • JIS C 3612 ― エコ電線(EM-IE・EM-CE)の規格。ハロゲンフリー低煙タイプ。
  • 電気事業法 ― 一般用電気工作物・自家用電気工作物の工事は電気工事士資格が必要。

参考文献・公的資料

電線管占積率、電気工事の設計・施工基準についてより詳しい情報は、以下の公的機関・学会の資料を参照してください。

※本ツールは内線規程JEAC 8001および関連JIS規格に基づく参考計算です。実際の電気工事の設計・施工には、電気事業法に基づく電気工事士(第1種・第2種)または認定電気工事従事者の資格が必要です。屋内配線・屋外配線の設計は、電気主任技術者・電気設備設計技術者と協議のうえ、電気設備技術基準および所轄産業保安監督部の判断に従ってください。占積率が基準内でも、入線困難・電圧降下・許容電流等の他の要因により、電線管サイズ変更が必要な場合があります。

よくある質問(FAQ)

G22管に5.5sq電線は何本入る?

32%基準で6本まで。IV 5.5sqの外径約5.0mm、G22の内径約21.9mmから、6本で占積率約31.3%、7本で約36.5%になります。将来の増設・引き替えを考えるなら余裕を残します。

占積率が超えたらどうする?

3つの対策:①管サイズをワンサイズアップ(G22→G28)、②電線管を並列で複数敷設、③ケーブルラック配線に変更。既設で管サイズを変えられない場合は、配線ルートを2系統に分けて既設管を活かす方法もあります。設計初期なら余裕のあるサイズ選定がベスト。

本数別基準の意味は?

「1本53%・2本31%・3本以上40%」は米国NECの基準で、日本の内線規程の値ではありません。内線規程では32%以下(屈曲が少なく引き入れ・引き替えが容易なら48%以下)で判断します。

未来増設の余裕はどれくらい取る?

決まった数値はありませんが、将来のケーブル追加や電線の引き替えが見込まれる場所では、32%より余裕を持たせて選ぶと改修時に既設管を使いやすくなります。

PF管とCD管の違いは?

PF管は難燃性ポリエチレンで、露出・隠蔽・コンクリート埋設のいずれも可能な万能タイプ。CD管はコンクリート専用で露出・隠蔽(コンクリート以外)に使えません。見た目は似ていますが色分けされており、PF管は緑またはベージュ、CD管はオレンジ色が一般的です。

ケーブルの外径はどう扱う?

VVFケーブル・CVTケーブルは、カタログ表記の実測外径を使います。外径は種別・心数・メーカーによって異なります。単芯電線とは別扱いなので、必ずメーカーカタログの寸法を確認してください。

金属管とプラスチック管どちらを選ぶ?

金属管(厚鋼・薄鋼)は耐衝撃性・遮蔽性◎で工場・屋外・埋設に。プラスチック管(PF・CD)は軽量・施工性◎で住宅・オフィス隠蔽に。金属管は接地工事必須、プラスチック管は電磁ノイズ遮蔽ができない点に注意。用途と環境で選定してください。

接地線(ELV)は占積率に含める?

含めます。接地線(緑または緑黄)も他の電線と同じ扱いで断面積計算に入れます。ただし、接地線は少数(1〜2本)が一般的で、占積率への影響は限定的。分電盤内の主接地線には別途接地母線・接地ブスバーを使うのが一般的です。

高調波電流を考慮する必要は?

大型LED照明・インバーター機器の高調波電流により、中性線が過負荷になる可能性があります。三相4線式の電線管で、中性線を通常のR/S/Tと同じsqにするか、1サイズアップで対応するのが実務。占積率計算にも中性線のサイズを反映してください。

電線管の曲げ加工回数の制限は?

屈曲の箇所数・屈曲半径などの施工条件は内線規程で定められています。屈曲が多い・長い区間ではプルボックス(接続箱)を設置して入線作業性を確保します。数値は最新の内線規程で確認してください。

電線管の埋設深さは?

地中電線路の埋設深さや防護は電気設備技術基準の解釈(第120条)で、方式(管路式・直接埋設式など)と車両等の重量物の圧力を受けるかどうかで定められています。道路に埋設する場合は道路管理者の占用条件も確認してください。

電気工事士試験の頻出計算問題は?

「G22管に2.0mm IV線を4本収める場合の占積率」など。IV線外径3.6mm、断面積π×1.8²=10.2mm²、4本で40.7mm²、G22管内断面積376.7mm²から占積率10.8%と算出。32%以内でOK判定。1種・2種・認定電気工事従事者すべてで出題されます。