必要換気量 計算ツール|建築基準法・ビル管法対応、面積×人数×用途別に必要換気量と換気回数を即算出
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室面積・在室人数・用途から、建築基準法施行令20条の2・ビル管法(建築物衛生法)に基づく必要換気量(m³/h)と換気回数(回/h)を即算出。建築基準法の1人あたり20m³/h(V=20Af/N)と、CO2 1,000ppm以下を保つ設計目安の1人あたり30m³/hの両方を表示、居室ごとのシックハウス対策(24時間換気0.5回/h)、CO2濃度1000ppm管理、コロナ以降の換気強化ガイドラインまで、確認申請・用途変更・機械換気設備選定の実務でそのまま使える形で解説します。
必要換気量計算ツール
計算式と根拠
必要換気量の基本式
Q = N × Vp (Q: 必要換気量 m³/h、N: 在室人数、Vp: 一人あたり必要換気量 m³/h)
数字が2種類あるので区別します。建築基準法(施行令20条の2)の機械換気設備は、有効換気量 V=20Af/N(Af:居室の床面積㎡、N:1人あたりの占有面積㎡)で、在室人数で書き直すと1人あたり20 m³/hです。用途で20が変わることはありません。一方、1人あたり30 m³/hは、ビル管法(建築物衛生法)のCO2 1,000ppm以下を保つための設計目安で、空気調和・衛生工学会の換気規準(SHASE-S 102)もこの考え方に基づいています。法令の下限ではありません。計算機は両方を出し、大きい方を「必要換気量の目安」としています。
換気回数(Air Change Rate)
N (回/h) = Q ÷ V (V: 室容積 m³ ≒ 床面積 × 天井高)
換気回数は「1時間に室内空気を何回入れ替えるか」を表す指標で、機械換気設備(給排気ファン)の風量選定・ダクト設計の直接的なパラメータになります。天井高3mとすると、100 m² 事務所で30人在室・900 m³/h(30m³/h・人の目安)なら、室容積300 m³ に対して換気回数は3回/hです。建築基準法の下限(600 m³/h)なら2回/hです。
在室が少ない部屋の下限(Nの上限)
V = 20 × Af ÷ N (N は一般の居室で10、法別表第一(い)欄(1)項の特殊建築物の居室で3が上限)
N は実況に応じた1人あたりの占有面積ですが、上限があるため、在室が少なくても一般の居室は床1 m²あたり2 m³/h(20÷10)、劇場・映画館・集会場などの居室は床1 m²あたり約6.7 m³/h(20÷3)を下回りません。法令に「1 m²あたり0.05 m³/min」のような別の面積基準があるわけではありません。会議室や店舗のように人数が変わる部屋は、最大の在室人数で計算します。
建築基準法・ビル管法の位置づけ
換気規制は建築基準法(設計時の必須規定)と建築物衛生法(ビル管法:維持管理段階の規定)の二層で成り立っています。
| 法令 | 対象 | 主な要求事項 |
|---|---|---|
| 建築基準法28条 | 全ての居室 | 採光・換気に有効な窓、または機械換気設備の設置義務 |
| 施行令20条の2 | 換気設備の性能 | 有効換気量 V=20Af/N 以上(1人あたり20 m³/h。Nの上限:一般の居室10・特殊建築物の居室3) |
| 施行令20条の8 | シックハウス対策 | 住宅0.5回/h、住宅以外0.3回/h以上の24時間換気 |
| ビル管法(建築物衛生法) | 特定建築物(延床3,000㎡以上、学校8,000㎡以上) | CO2濃度1,000ppm以下、CO 6ppm以下(令和4年4月改正)、浮遊粉じん0.15mg/m³以下 |
| 労働安全衛生法・事務所則 | 事務所全般 | 労働者1人あたり10 m³以上の気積、空気調和設備・機械換気設備がある場合はCO2 1,000ppm以下 |
建築基準法は「建てるとき」の設計基準、ビル管法・事務所則は「使うとき」の環境基準という役割分担です。両方を満たす必要があり、CO2濃度が慢性的に1,000ppmを超えるようなオフィスは、たとえ設計時に法定風量を確保していても、運用面で改善指導の対象となります。
用途別 必要換気量早見
建築基準法の下限(施行令20条の2)と、CO2濃度を基準内に保つための設計目安を分けてまとめます。
| 用途 | 建築基準法の下限(V=20Af/N) | 在室が少ないときの下限 | 設計の目安 |
|---|---|---|---|
| 事務所・会議室 | 20 m³/h・人 | 床1 m²あたり2 m³/h(N上限10) | 30 m³/h・人(CO2 1,000ppm以下) |
| 店舗・飲食店 | 20 m³/h・人 | 床1 m²あたり2 m³/h(N上限10) | 30 m³/h・人(喫煙専用室などは別途) |
| 学校(普通教室) | 20 m³/h・人 | 床1 m²あたり2 m³/h(N上限10) | 学校環境衛生基準のCO2 1,500ppm以下 |
| 劇場・映画館・集会場など | 20 m³/h・人 | 床1 m²あたり約6.7 m³/h(N上限3) | 30 m³/h・人(CO2 1,000ppm以下) |
| 住宅(居室) | — | — | 0.5回/h以上(シックハウス対策の24時間換気) |
| 厨房・調理場 | 火を使う室は施行令20条の3の基準(燃料の種類・消費量から算定) | ||
厨房・病院・研究実験室のように、火気・臭気・汚染源を含む特殊用途は、それぞれの基準や業界ガイドラインに沿った専門的な換気設計が必要です。上表は一般用途の入口値として使ってください。
シックハウス24時間換気(施行令20条の8)
2003年の建築基準法改正で、全ての新築住宅・住宅以外の居室に24時間機械換気設備の設置が義務化されました。ホルムアルデヒド等の揮発性有機化合物(VOC)による健康被害を防ぐための規制です。
- 住宅の居室:換気回数 0.5回/h 以上
- 住宅以外の居室:換気回数 0.3回/h 以上
- 常時運転が原則(電源スイッチには「切」を設けない仕様)
- 第1種(給気・排気とも機械)/第2種(給気のみ機械)/第3種(排気のみ機械)から選択
- 寒冷地では第1種+熱交換型が主流。省エネ性能と換気の両立が可能
用途変更で住宅→事務所、事務所→飲食店といった変化を行う際は、換気回数の目標値が変わるため、既存換気設備の風量再計算が必須です。設計時のスペック不足で用途変更が却下されるケースも珍しくありません。
CO2濃度と換気の関係
ビル管法・事務所則でCO2濃度1,000ppm以下という管理基準が定められています。CO2は在室者の呼吸で発生し、換気量が不足すると濃度が上昇します。
| CO2濃度 | 体感・症状の目安 | 換気状態 |
|---|---|---|
| 400ppm前後 | 外気並み | 過剰換気 |
| 700ppm | 良好、集中力維持 | 推奨レベル |
| 1,000ppm | 眠気・集中力低下の閾値 | ビル管法基準 |
| 2,000ppm | 頭痛・眠気顕著 | 換気不足 |
| 3,000ppm超 | 作業能率低下、健康影響 | 要即時改善 |
コロナ禍以降、飛沫感染リスク低減の観点でも「CO2濃度1,000ppm以下」を換気の指標として使う運用が広がりました。厚労省のガイドラインでは「換気の悪い密閉空間」を避けるため、CO2計を設置し、超過時に窓開放・機械換気の追加運転を行う運用が推奨されています。
業界での応用
建築設計事務所・意匠設計
確認申請時の換気設備計算書(20条の2・20条の8対応)作成。用途別の必要換気量を居室ごとに一覧化し、給排気ファン風量・ダクトサイズ・給気口/排気口位置の設計を根拠づけます。用途変更の申請では、既存機械換気設備の性能証明も併せて提出。
設備設計・空調設計
ダクト設計・機械換気設備選定の基礎。必要風量から静圧損失を計算し、送風機の型式・馬力を決定。排気ファン・全熱交換器・VAV(可変風量)システムの導入検討時に、床面積・在室人数・熱負荷を統合した換気設計が必須です。
ビル管理・FM(ファシリティ管理)
ビル管法対象の特定建築物(延床3,000㎡以上)では、2か月以内ごとに1回、CO2・CO・浮遊粉じん・温湿度・気流などの空気環境の測定が義務。測定結果を基に給排気ファンの運転条件・フィルタ交換頻度・ダクト清掃周期を最適化。
店舗開業・飲食業
用途変更(事務所→飲食店)では換気基準が変わり、厨房・客席の給排気設計を全面見直し。給気口の位置、排気ダクトの経路、飲食店営業許可に必要な換気能力を確認申請と別途、保健所にも証明する必要があります。
学校・保育施設
普通教室40〜50人の在室で、建築基準法の20 m³/h・人×50人=1,000 m³/h が機械換気設備の下限。文科省の学校保健安全法・学校環境衛生基準もCO2 1,500ppm以下を目安に規定。コロナ以降は換気強化のため機械換気の常時運転が推奨されています。
医療施設・病院
病室・手術室などは清浄度クラスごとに換気回数・外気量の目標が定められ、陰圧・陽圧設計、HEPA/ULPAフィルタ、外気導入率の管理まで、日本医療福祉設備協会の病院設備設計ガイドラインなどに沿った専門設計が必要です。
換気設備の選定
必要換気量が決まったら、実務では機械換気設備の方式選定に進みます。方式ごとに省エネ性・イニシャルコスト・保守負荷が異なります。
| 方式 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 第1種換気(給気・排気とも機械) | 全熱交換器と組み合わせで省エネ性能高。花粉・PM2.5フィルタ搭載も容易 | 高気密住宅、オフィスビル、病院 |
| 第2種換気(給気のみ機械) | 室内を陽圧に保つ。外気の侵入防止 | クリーンルーム、手術室 |
| 第3種換気(排気のみ機械) | 室内を負圧に保つ。臭気・汚染物質の外部拡散防止 | 戸建住宅、厨房、トイレ、実験室 |
| ハイブリッド換気 | 自然換気+機械換気の併用。外気条件に応じ自動切替 | 学校、体育館、大規模ホール |
| VAV(可変風量) | CO2センサや在室検知で風量調整 | 大空間オフィス、会議室 |
実務的には、外気導入率(OA率)・還気混合率(RA率)・全熱交換効率・給気口/排気口の風速(一般に3〜5 m/s以下)といったパラメータを踏まえた上で、送風機の型式(シロッコ・ターボ・軸流)とインバータ制御の有無を選定します。近年はZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)認証に向けた省エネ換気設計の需要が高まり、全熱交換型第1種+VAV+CO2フィードバック制御という組み合わせが主流化しています。
換気設備のコスト目安
参考として、実務でよく使われる機械換気設備のイニシャル・ランニングコスト目安を示します(機種・工事条件で大きく変動)。
| 設備規模 | 方式 | 本体価格 | 年間電気代目安 |
|---|---|---|---|
| 住宅(延床100 m²) | 第3種常時換気 | 10〜20万円 | 2,000〜4,000円 |
| 住宅(延床100 m²) | 第1種全熱交換 | 30〜60万円 | 3,000〜6,000円 |
| 小規模オフィス(100 m²) | ロスナイ+排気ファン | 50〜100万円 | 3〜8万円 |
| 中規模ビル(1,000 m²) | 空調機+全熱交換 | 500万〜数千万円 | 50〜200万円 |
| 大規模病院(10,000 m²) | 空調機+清浄室 | 数億円 | 数千万〜1億円 |
初期投資と省エネ効果のバランスを取るため、LCC(ライフサイクルコスト)で比較検討するのが実務標準です。全熱交換器の導入で、寒冷地では暖房負荷を30〜40%削減できる事例もあり、10〜15年でイニシャル追加コストを回収するケースが多く見られます。
確認申請前チェックリスト
換気設計を確認申請に反映する前に、以下の項目を居室単位で棚卸ししておくと、後工程での差戻し・追加工事を防げます。
- 居室ごとの用途を確定(建築基準法別表第1・別表第2の該当区分)
- 床面積・天井高から室容積を算出、想定在室人数を設定
- 用途別の一人あたり必要換気量と面積基準の大きい方で必要換気量を算出
- シックハウス24時間換気(0.5回/h または 0.3回/h)が別途上乗せで確保できるか確認
- 火気使用室(厨房・湯沸室)は告示に基づき別途換気計算
- 排煙設備・排気設備との経路重複、排気口位置と隣地境界の距離をチェック
- ダクト静圧損失と送風機能力の整合、給気口・排気口の風速上限(一般に5m/s)
- 用途変更申請の場合、既存換気設備の実測風量と要求風量を比較
- ビル管対象規模の場合、CO2測定義務・維持管理計画も設計段階で盛り込む
- 停電時のバックアップ運転(非常用発電機との接続、バッテリーバックアップ)を確認
- 保守点検口の設置、フィルタ交換の作業導線、天井裏の点検スペースを確保
よくある間違い・注意点
- 在室が少ない部屋で人数だけで計算 — 施行令20条の2の N(1人あたり占有面積)には上限(一般の居室10・劇場や集会場などの居室3)があるため、少人数×広い部屋でも床1 m²あたり2 m³/h(集会場などは約6.7 m³/h)を下回れません。
- 自然換気だけで満たせると考える — 高気密建築では窓開放だけで法定風量を確保できません。20条の8の24時間換気は機械換気設備を前提としており、居室ごとに給排気口を設計する必要があります。
- 用途変更で換気を再計算しない — 事務所→飲食店・集会場のような変更で、在室人数の想定(N)や、劇場・集会場などへの変更で N の上限が10→3に下がること、火を使う室の追加を見落とすと、既存設備が容量不足になります。
- 火気使用室で人数基準を適用 — 厨房や湯沸室は告示(第20条の3)に基づく火気基準で計算します。ガス消費量・種類に応じた排気量算定式が別途あります。
- 排気口を隣地・道路側に向ける — 建築基準法規制のほかに、近隣配慮・悪臭防止法・受動喫煙対策の観点でトラブルになります。排気ルートは建物頂部・天空側への逃がしが推奨。
- 換気設備の常時運転を切ってしまう — 24時間換気は「切」を設けない仕様が原則。省エネのため夜間停止する運用は法令違反相当。稼働率を落とすなら熱交換型やVAV導入で対応。
- CO2 1,000ppm基準を「達成すればOK」と誤解 — ビル管法は上限値であって、集中力・生産性の観点では700〜800ppmを目指す設計・運用が推奨されています。
関連する規格・法令
- 建築基準法(昭和25年法律第201号) ― 第28条で居室の採光・換気、第28条の2でシックハウス対策の根拠規定。
- 建築基準法施行令20条の2 ― 換気設備の技術基準。機械換気設備の有効換気量 V=20Af/N(1人あたり20 m³/h。Nの上限は一般の居室10・特殊建築物の居室3)。
- 建築基準法施行令20条の8 ― シックハウス対策の24時間換気(住宅0.5回/h、住宅以外0.3回/h)。
- 建築物衛生法(ビル管法) ― 特定建築物のCO2・CO・浮遊粉じん・温湿度・気流の管理基準。
- 労働安全衛生法・事務所衛生基準規則 ― 事務所の気積10 m³/人以上、空気調和設備・機械換気設備がある場合のCO2 1,000ppm以下など。
- 学校保健安全法・学校環境衛生基準 ― 教室CO2 1,500ppm以下、換気の確認手順。
- SHASE-S 102(空気調和・衛生工学会 換気規準) ― CO2濃度1,000ppmを基準にした必要換気量(1人あたり約30 m³/h)の考え方。法令ではなく学会の規準。
- JIS A 1406(換気による室内空気清浄度の測定方法) ― CO2・CO・粉じん測定の標準規格。
- 厚生労働省 換気ガイドライン ― コロナ後の換気強化、CO2測定の運用指針。
参考文献・公的資料
実際の確認申請書類作成、用途変更申請、ビル管法対応、CO2測定の運用は、必ず所轄行政庁および以下の公的機関の一次資料を参照してください。
- 国土交通省 住宅・建築物 ― 建築基準法の主管官庁。シックハウス対策の告示・技術基準の公式資料。
- e-Gov法令検索 建築基準法 ― 建築基準法本則の最新条文。
- e-Gov法令検索 建築基準法施行令 ― 20条の2・20条の8の技術基準原文。
- 厚生労働省 建築物衛生法(ビル管法) ― 特定建築物の管理基準、届出・維持管理計画の運用指針。
- 厚生労働省 事務所衛生基準規則 ― 事務所の換気・照明・温湿度の管理基準。
- 空気調和・衛生工学会(SHASE) ― SHASE-S規格、換気・空調設備の設計指針の学会一次資料。
- 日本規格協会(JSA) ― JIS A 1406他、換気関連JIS規格の管理機関。
- 文部科学省 学校環境衛生基準 ― 教室換気・CO2の管理基準。
- 厚生労働省 冬場における換気の悪い密閉空間の改善のために ― コロナ後の換気ガイドライン。
よくある質問(FAQ)
100m²の事務所で30人在室の必要換気量は?
建築基準法の下限は 20 m³/h × 30人 = 600 m³/h(V=20×100÷3.33)。CO2 1,000ppm以下を保つ設計目安の30 m³/h・人なら 30×30 = 900 m³/h です。天井高3mなら室容積300 m³ で、換気回数は法定下限で2回/h、目安で3回/hです。
建築基準法の必要換気量とビル管法の違いは?
建築基準法は「建てるとき」の設計基準(施行令20条の2で一人あたり20 m³/h以上の機械換気設備を要求)。ビル管法(建築物衛生法)は「使うとき」の環境基準(CO2 1,000ppm以下、CO 6ppm以下等)で特定建築物(延床3,000㎡以上、学校教育法上の学校は8,000㎡以上)が対象。両方を満たす必要があり、CO2が慢性的に基準超過するオフィスは改善指導対象です。
シックハウス24時間換気とは?
2003年施行の施行令20条の8で規定された、居室の常時機械換気義務。住宅0.5回/h以上、住宅以外0.3回/h以上。ホルムアルデヒド等のVOC対策として、電源スイッチには「切」を設けない仕様が原則です。第1種(給排気とも機械)・第2種(給気のみ)・第3種(排気のみ)から選択します。
CO2 1,000ppmを超えると何が問題?
CO2 1,000ppmはビル管法・事務所則の管理基準上限。超過が続くと眠気・集中力低下・頭痛といった症状が現れ、労働生産性の低下と改善指導のリスクが生じます。快適・高生産性のオフィスでは700〜800ppm、コロナ以降の感染対策では換気の指標としても800〜1,000ppmが推奨されています。
用途変更で換気の再計算は必要?
必要です。建築基準法の1人あたり20 m³/hは用途で変わりませんが、想定する在室人数(N)、劇場・集会場などへの変更による N の上限(10→3)、厨房など火を使う室の排気(施行令20条の3)が変わります。既存機械換気設備の実測風量が要求風量を下回る場合は、確認申請前に増設・改修が必要になります。
自然換気だけで法定風量を確保できる?
ほぼ不可能です。現代の高気密建築(Q値・UA値が厳しい省エネ住宅・省エネビル)では、窓開放だけでは常時換気を賄えません。建築基準法20条の8は機械換気を前提としており、給気口・排気口の設計、給排気ファンの選定が必須です。ハイブリッド換気(自然+機械)でも制御装置が必要です。
厨房の換気計算はどうする?
厨房・湯沸室のように火気設備を持つ室は、施行令20条の3(火気使用室の換気設備)で別途基準が定められています。ガス消費量・種類(都市ガス/LPG/電気)ごとに算定式があり、実際にはメーカーカタログの排気フード風量表を参照して設計するのが一般的。飲食店営業許可の保健所審査でも重要項目です。
教室40人の必要換気量は?
建築基準法の20 m³/h・人 × 40人 = 800 m³/h が機械換気設備の下限。天井高3m・面積65 m² の教室では換気回数約4回/hが目安。文科省の学校環境衛生基準ではCO2 1,500ppm以下を推奨し、コロナ以降は換気強化のため常時窓開放+機械換気の併用が推奨されています。
ビル管法の対象規模は?
興行場・百貨店・集会場・図書館・博物館・美術館・遊技場・店舗・事務所・学校(幼稚園を除く)・旅館などで、延床面積3,000㎡以上(学校教育法上の学校は8,000㎡以上)の建築物が特定建築物として対象。維持管理権原者に建築物環境衛生管理基準に従った維持管理(空気環境の測定は2か月以内ごとに1回)、所有者等に届出の義務が課せられます。
第1種と第3種換気の選び方は?
第1種(給排気とも機械)は全熱交換器と組み合わせて省エネ性能が高く、寒冷地・都市部の高気密住宅・オフィスビル向き。第3種(排気のみ機械)はイニシャルコストが低く、戸建住宅・小規模事務所・厨房・トイレ・実験室(負圧維持)向き。用途と地域性で選定します。
換気回数と換気量の違いは?
換気量(m³/h)は単位時間あたりの入れ替え空気量、換気回数(回/h)は室容積に対する換気量の比率(Q÷V)。設計時は法令基準の風量(m³/h)を確保し、機械換気設備の風量スペックを決定。運用時は換気回数(回/h)とCO2濃度で妥当性を検証、という使い分けが一般的です。
コロナ後の換気強化のポイントは?
厚労省ガイドラインでは、必要換気量の常時確保に加え、CO2計を室内に設置して1,000ppm以下を目安に運用することを推奨。窓開放と機械換気の併用、休憩・食事時の追加換気、密の回避(在室人数の分散)などが具体策。エアロゾル感染対策として気流設計(給気→呼吸ゾーン→排気の方向性)も重要視されています。
喫煙室の換気計算は?
喫煙室は健康増進法(改正法:2020年4月全面施行)で「たばこ煙の流出防止」が義務化され、開口部の風速0.2 m/s以上を維持する設計が求められます。必要換気量は在室者×20 m³/h/人に加え、たばこ煙対策の追加排気を確保。飲食店・オフィスの喫煙専用室では、ドア開放時に非喫煙エリアへの流出がないよう、負圧設計+確実な排気ダクト経路が必要です。
換気設備の点検頻度は?
ビル管法対象の特定建築物では、2か月以内ごとに1回の空気環境測定が義務です。空気調和設備・機械換気設備の点検・清掃も維持管理基準に沿って行います。非対象規模でも、フィルタは3〜6ヶ月ごとの清掃・交換、ダクト内部は3〜5年ごとの清掃、送風機のベルト・軸受は年1回以上の点検を推奨。定期メンテナンス不足で風量が半減する事例もあり、設計値と実測値の乖離を防ぐことが重要です。