送風機動力 計算ツール
【ご注意】このページの計算結果・情報は参考値です。正確性・最新性は保証できません。税務・法務・お金・設計・施工・安全などに関わる判断は、公式の資料と専門家の確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。免責事項
風量+静圧+効率から送風機動力・電動機定格を即算出。JIS B 8330(送風機試験方法)準拠。空調設備選定に対応。
送風機動力 計算ツールツール
送風機動力の3段階
空気動力 = Q(m³/s) × P(Pa) ÷ 1000 (kW)
軸動力 = 空気動力 ÷ ファン効率
電動機入力 = 軸動力 ÷ 電動機効率
電動機の出力(定格) ≧ 軸動力 × 余裕率(ベルト駆動なら伝動効率でも割る)
総合効率はファン効率×電動機効率です。例えばファン効率60%・電動機効率88%なら約53%で、投入電力の約半分が空気に与えられます。
ファン種類別 効率目安
| ファン種類 | 効率 |
|---|---|
| 後向き羽根(ターボファン・リミットロードファン) | 75-85%(目安) |
| 前向き多翼(シロッコファン) | 50-65%(目安) |
| プロペラ(有圧換気扇) | 50-70%(目安) |
| 軸流 | 55-75%(目安) |
※本ツールはJIS/SHASE-S/JRAIA等の公的基準に基づく参考計算です。実施設計・冷凍機保安・行政協議時は設備士・冷凍機械責任者による最終判断が必須です。
送風機動力 計算ツールの詳しい解説
送風機動力は空調設備の消費電力の主要項目。インバータ制御で回転数を下げると軸動力は回転数の3乗に比例して下がるため、部分負荷の多い系統ほど効果が大きくなります。削減量は運転パターンで決まるので、実際の風量の推移から試算してください。
業界・現場での使い方
空調設計
送風機選定、電動機容量、電気容量申請根拠。
省エネコンサル
インバータ化提案、電気料金削減試算。
工場設備
大型換気ファン選定、集塵ファン能力算定。
プラント
プロセスエア送風、多段ファン選定。
電動機容量の決め方と省エネ制御
空気動力→軸動力→電動機入力と段階を追ったら、最後に余裕率を掛けて電動機容量を決め、標準出力に丸めます。ここでの取り方が過大でも過小でも、運転コストか風量不足のどちらかで跳ね返ります。
計算例:風量5,000m³/h・静圧400Pa
Q=5,000m³/h=1.39m³/sなので、空気動力=1.39×400÷1000≒0.56kW。ファン効率65%で軸動力≒0.85kW。これに余裕率1.15を掛けた約0.98kWを上回る標準出力として電動機出力1.5kWを選定します(標準出力は0.75kWの次が1.5kW)。電動機効率88%なら、消費電力(入力)は0.85÷0.88≒0.97kWです。電動機の定格は出力(軸出力)で表されるため、入力に余裕率を掛けて選ぶと過大になります。
余裕率は10〜20%が適正
余裕率は10〜20%を目安にします。30%以上を積むと、実運転点がファンの高効率域から外れて省エネ性が悪化し、電気代が余計にかかります。安全を見るつもりの過大選定が、そのまま運転費の増加になる点に注意してください。
全圧と静圧を取り違えない
全圧=静圧+動圧です。ファンのカタログ性能は全圧で表示されることが多い一方、系統の圧損計算は静圧で積み上げるのが一般的で、そのまま突き合わせると食い違います。どちらの圧力で書かれた値かを確認してから動力を計算してください。
相似則(3乗則)とVAV
回転数を変えたときの送風機は、風量が回転数に比例、圧力が2乗、軸動力が3乗に比例します。したがって風量を50%に絞ると動力は約1/8になります。この効きの大きさが、インバータによる可変速制御と、必要風量に応じて風量を絞るVAV方式(可変風量)が省エネ手法の定番である理由です。定風量のCAV方式からVAVへ切り替えたときの削減量は、負荷の変動の大きさと運転時間で決まります。導入前に運転データから試算してください。
関連する試験規格
送風機の風量・圧力・効率の測定方法はJIS B 8330(送風機の試験及び検査方法)で定められています。カタログ値を比較するときは、同じ試験方法に基づく値かを確認してください。
よくある間違い・注意点
- 空気動力=電動機容量誤認 — 効率2段階考慮せず→過小容量。
- 動作点ズレ — 実運転で右下がりカーブに乗ると効率激減。
- インバータ効果未評価 — 部分負荷の多い系統では3乗則で大きな省エネ余地がある。
関連する規格・公的資料
- 国土交通省 建築設備設計基準 — 公共建築の空調設計基準
- 空気調和・衛生工学会 (SHASE) — SHASE-S 系空調衛生規準
- 日本冷凍空調工業会 (JRAIA) — 冷凍空調機器の業界標準
- 日本産業標準調査会 JIS検索 — JIS B 8615(業務用エアコン)等
- 経済産業省 エネルギー使用の合理化 — 省エネ法・トップランナー基準
- 環境省 フロン排出抑制法 — 冷媒管理・回収義務
- 日本ボイラ協会 — ボイラー技士・技術基準
- 日本建築学会 空気調和・熱源設備 — 設計指針
- 厚生労働省 建築物における衛生的環境の確保 — ビル管理法(換気基準)
- 高圧ガス保安協会 (KHK) — 冷媒配管の高圧ガス保安法対応
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
空気動力の計算式は?
Pa = QP÷1000。Q=m³/s、P=Pa、結果=kW。
総合効率は?
目安として50-70%。ファン効率60-75%×電動機効率85-95%の積です。
インバータで何%省エネ?
一律の値はありません。軸動力は回転数の3乗に比例するため、風量を下げて運転する時間が長いほど効果が大きくなります。運転データから試算します。
高効率電動機(IE3/IE4)は?
標準効率(IE1)より損失の少ない高効率電動機です。国内では2015年度から三相誘導電動機がトップランナー制度の対象となり、IE3相当の効率が求められています。
風量5,000m³/h・静圧400Paの電動機出力は?
空気動力0.56kW→軸動力0.85kW(ファン効率65%)→余裕率1.15で0.98kW→電動機出力1.5kW。消費電力は電動機効率88%で約0.97kW。
前向きと後向き、どちらが省エネ?
後向き(ターボ)が有利。効率の目安は75-85%に対し前向き多翼は50-65%。ただし前向きは低速で静音・低コストです。
VAV方式のメリットは?
必要風量に応じて風量を絞るため、CAV(定風量)より送風動力を減らせます。削減量は負荷の変動と運転時間で決まります。