鉄筋定着長・重ね継手長 計算ツール|D10-D51の定着L1/L2/L3・継手長を即算出、配筋設計まで
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RC造の重ね継手長さL1・定着長さL2・下端筋定着L3を、鉄筋径・鉄筋の種類・設計基準強度Fc(18-60N/mm²)から公共建築工事標準仕様書の表どおりに即算出。JASS 5「鉄筋コンクリート工事」・日本建築学会「鉄筋コンクリート構造計算規準」に基づき、定着の応力伝達メカニズム、直線定着と折り曲げ(90°/180°フック)定着、重ね継手・ガス圧接継手・機械式継手の選定基準、応力集中位置での継手禁止規定、配筋検査のポイントまでを網羅解説します。設計者・鉄筋工・施工管理者・確認検査員必読。
鉄筋定着長・重ね継手ツール
計算式と係数体系
基本式
重ね継手長さ L1 = 係数 × d / 定着長さ L2 = 係数 × d(d:異形鉄筋の呼び名の数値)
係数は鉄筋の種類と設計基準強度Fcで決まり、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)表5.3.2(重ね継手)・表5.3.4(定着)、JASS 5 に同じ体系の表があります。重ね継手と定着は別々の表で、「定着長×1.2=継手長」のような換算はありません。
係数表(フック付きは末端のフックを含まない長さ)
| 鉄筋 | 長さ | Fc18 | Fc21 | Fc24・27 | Fc30〜36 | Fc39〜45 | Fc48〜60 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| SD295 | 重ね継手L1 | 45d | 40d | 35d | 35d | 30d | 30d |
| SD295 | 重ね継手L1h(フック付) | 35d | 30d | 25d | 25d | 20d | 20d |
| SD295 | 定着L2 | 40d | 35d | 30d | 30d | 25d | 25d |
| SD295 | 定着L2h(フック付) | 30d | 25d | 20d | 20d | 15d | 15d |
| SD345 | 重ね継手L1 | 50d | 45d | 40d | 35d | 35d | 30d |
| SD345 | 重ね継手L1h(フック付) | 35d | 30d | 30d | 25d | 25d | 20d |
| SD345 | 定着L2 | 40d | 35d | 35d | 30d | 30d | 25d |
| SD345 | 定着L2h(フック付) | 30d | 25d | 25d | 20d | 20d | 15d |
| SD390 | 重ね継手L1 | — | 50d | 45d | 40d | 40d | 35d |
| SD390 | 重ね継手L1h(フック付) | — | 35d | 35d | 30d | 30d | 25d |
| SD390 | 定着L2 | — | 40d | 40d | 35d | 35d | 30d |
| SD390 | 定着L2h(フック付) | — | 30d | 30d | 25d | 25d | 20d |
SD490は別の表になります。小梁・スラブの下端筋の定着長さL3は、小梁20d(フック付きL3h 10d)、スラブ10dかつ150mm以上です。構造図に特記がある場合は特記が優先します。
加工寸法の切り上げ
計算値は最低限の長さです。加工・配筋の指示では、施工誤差を見込んで切り上げた寸法にします(例:D13・40d=520mm)。
定着・継手の応力伝達
定着の物理
鉄筋はコンクリートとの付着応力(bond stress)によって引張力をコンクリートに伝達します。異形鉄筋(SD295A/SD345)ではリブ(節)による機械的抵抗と、化学的付着(セメント水和物との結合)の合計が付着力となります。付着応力は概ね0.8×√Fc(N/mm²)で、Fc24なら約3.9 N/mm²です。
付着応力から必要長さの導出
必要付着長 = (鉄筋降伏荷重) ÷ (許容付着応力 × 周長)
SD345・D22(降伏強度345N/mm²・断面積387mm²)の降伏荷重=133,515N、Fc24の許容付着応力=約3.9N/mm²、周長π×22.2=69.7mmで、必要長さ=133,515÷(3.9×69.7)≒491mm。安全率と施工誤差を見込み実務では40D=888mmで施工します。
継手の応力伝達
重ね継手では、2本の鉄筋が並列することで周長が実質2倍(片側からの付着応力+反対側への伝達)になります。しかし応力集中の緩和のため、重ね継手長さは定着長さとは別の表で、同じ条件では定着長さL2より5d程度長く定められています(SD345・Fc24でL1=40d、L2=35d)。
L1/L2/L3の使い分け
公共建築工事標準仕様書・JASS 5の記号は次のとおりです。構造図の特記に従って加工・配筋します。
| 記号 | 意味 | SD345・Fc24の係数 | D13(mm) |
|---|---|---|---|
| L1 | 重ね継手の長さ(直線) | 40d | 520 |
| L1h | 重ね継手の長さ(フック付) | 30d | 390 |
| L2 | 定着の長さ(直線) | 35d | 455 |
| L2h | 定着の長さ(フック付) | 25d | 325 |
| L3 | 小梁の下端筋の定着 | 20d | 260 |
| L3 | スラブの下端筋の定着 | 10dかつ150mm以上 | 150 |
構造図に特記された長さを現場判断で短くすることはできません。
直線定着と折り曲げ定着
直線定着
鉄筋を折り曲げず、直線のまま定着長を確保する方式。最もシンプルで施工性が良く、大空間の梁定着で標準採用されます。ただし、必要長さが柱寸法を超える場合は物理的に不可能で、その場合はフック付き定着に切り替えます。
90°フック定着
柱端で鉄筋を90°曲げ、余長8d以上を確保する方式。JASS 5では折り曲げ内法直径をD16以下で3D、D19-D41で4D、D51で5Dと規定。180°フックより施工性が良く、標準的な梁定着で採用されます。フック付き定着長さL2hは直線のL2より10d短く定められています(SD345・Fc24でL2=35d、L2h=25d)。
180°フック定着
鉄筋を180°折り返し、フック先端が主筋側に戻る形状。応力集中が最大で、狭隘部での定着に採用されます。柱主筋の梁端定着・スターラップの主筋への定着で標準採用。余長は4d以上(135°フックは6d以上)です。
フック内法直径の規定
| 鉄筋径 | 内法直径(D16以下) | 内法直径(D19-D41) | 内法直径(D51) |
|---|---|---|---|
| D10 | 3D=30mm | - | - |
| D13 | 3D=39mm | - | - |
| D16 | 3D=48mm | - | - |
| D19 | - | 4D=76mm | - |
| D22 | - | 4D=88mm | - |
| D25 | - | 4D=100mm | - |
| D51 | - | - | 5D=255mm |
全径×全Fcの定着長早見表
SD345の場合の長さ(mm)です(係数×d。加工時は切り上げて指示)。
定着長さ L2(直線)
| Fc\D | D10 | D13 | D16 | D19 | D22 | D25 | D29 | D32 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Fc18(40d) | 400 | 520 | 640 | 760 | 880 | 1,000 | 1,160 | 1,280 |
| Fc21(35d) | 350 | 455 | 560 | 665 | 770 | 875 | 1,015 | 1,120 |
| Fc24・27(35d) | 350 | 455 | 560 | 665 | 770 | 875 | 1,015 | 1,120 |
| Fc30〜36(30d) | 300 | 390 | 480 | 570 | 660 | 750 | 870 | 960 |
| Fc39〜45(30d) | 300 | 390 | 480 | 570 | 660 | 750 | 870 | 960 |
| Fc48〜60(25d) | 250 | 325 | 400 | 475 | 550 | 625 | 725 | 800 |
重ね継手長さ L1(直線)
| Fc\D | D10 | D13 | D16 | D19 | D22 | D25 | D29 | D32 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Fc18(50d) | 500 | 650 | 800 | 950 | 1,100 | 1,250 | 1,450 | 1,600 |
| Fc21(45d) | 450 | 585 | 720 | 855 | 990 | 1,125 | 1,305 | 1,440 |
| Fc24・27(40d) | 400 | 520 | 640 | 760 | 880 | 1,000 | 1,160 | 1,280 |
| Fc30〜36(35d) | 350 | 455 | 560 | 665 | 770 | 875 | 1,015 | 1,120 |
| Fc39〜45(35d) | 350 | 455 | 560 | 665 | 770 | 875 | 1,015 | 1,120 |
| Fc48〜60(30d) | 300 | 390 | 480 | 570 | 660 | 750 | 870 | 960 |
継手工法の比較
鉄筋継手には重ね継手、ガス圧接継手、機械式継手、溶接継手の4種類があります。
| 継手工法 | 特徴 | コスト | 信頼性 | 使用場面 |
|---|---|---|---|---|
| 重ね継手 | 重ね継手長さL1(表)で重ねる | 最安 | ◎ | D16以下、住宅・低層で主流 |
| ガス圧接継手 | 酸素・アセチレンで加熱溶接 | 中 | ◎ | D19以上、集合住宅・中高層で主流 |
| 機械式継手(ネジ節・カプラ) | 専用継手金物で接合 | 高 | ◎ | 超高層・SRC、狭隘部 |
| アーク溶接継手 | 電弧溶接 | 中 | ○ | 特殊構造、免震装置周辺 |
| エンクローズ溶接継手 | ワイヤ供給式全周溶接 | 高 | ◎ | 超高層コア柱、免震柱 |
ガス圧接継手の詳細
D19以上の主筋で最も広く採用される継手工法。JIS Z 3881「鉄筋のガス圧接技術検定における試験方法及び判定基準」に基づく技量資格者(1種〜4種)が施工します。施工後は目視検査・超音波探傷検査(UT)により全数または抜取検査を実施。
機械式継手の詳細
専用のカプラ(継手金物)を用いて鉄筋端部をネジ加工・くさび加工で接合。狭隘部・大径鉄筋(D41・D51)・工期短縮を求める現場で採用増加中。各社の工法があり、工法ごとの評定・施工要領に従う。
継手位置の規定
継手を設ける位置
継手は応力の小さい位置に設けるのが原則。梁・柱の応力分布は端部(接合部)で最大、中央付近で最小となるため、継手は中央付近の1/4スパン以内に配置します。
継手を設けてはいけない位置
- 柱の柱脚部・柱頭部(はりとの接合部近傍)
- 梁の柱への接合部・端部(1/4スパン以内)
- スラブの支点付近
- 耐震壁の脚部・頭部
- 基礎の柱直下
- 階段の踊り場・支点付近
継手のずらし配置
複数の鉄筋を同一位置で継手すると、断面欠損が集中して構造耐力が低下します。隣り合う重ね継手は、継手の中心位置を重ね継手長さの約0.5倍ずらすか、1.5倍以上ずらす、ガス圧接継手は隣り合う圧接位置を400mm以上ずらすと定められています(公共建築工事標準仕様書・JASS 5)。
配筋検査と実務
配筋検査で確認する事項
- 定着長L1/L2/L3の実長(スケール実測)
- 継手長・継手位置・継手数(1本ずつ確認)
- フック内法直径・フック長(D16以下は3D、D19以上は4D)
- 継手ずらし配置(隣接継手との距離L1以上)
- ガス圧接継手の外観検査(ふくらみ幅・偏心率)
- ガス圧接継手の超音波探傷検査(UT報告書)
ガス圧接継手の外観検査基準
| 検査項目 | 合格基準 |
|---|---|
| ふくらみの直径 | 1.4d以上 |
| ふくらみの長さ | 1.1d以上 |
| 鉄筋中心軸の偏心量 | 1/5d以下 |
| 圧接面のずれ | 1/4d以下 |
| 圧接部の折れ曲がり | 2°以下 |
| 表面のきず・膨れ | なきこと |
| 圧接面の割れ | 絶対不可 |
不合格時の是正
ガス圧接継手が外観検査・UT検査で不合格の場合、切り取って再施工が原則。周辺鉄筋の再配置とD重ね継手への切替えが実務対応です。1箇所の再施工に鉄筋工1人日+ガス圧接工1人日、費用は5-10万円/箇所が目安。
業界・現場での使い方
構造設計事務所
構造図面のRC造部分で、大梁・小梁・柱・スラブごとに定着長L1/L2/L3を明記。継手位置の設計指定、フック定着の要否判断。構造計算書に定着応力の検定値を記載し、確認申請の対象。
鉄筋加工場
設計図面から加工図を作成し、必要長さ(直線+定着+継手)で切断・曲げ加工。D呼び・SD呼び別の在庫管理、フック曲げ加工の内法直径確保、90°/180°フックの区別。加工誤差±25mm以内が業界標準。
ゼネコン・工務店(施工管理)
配筋検査での実測、継手位置の順守確認、ガス圧接業者との調整。UT検査報告書の受領・保管。特に基礎・柱・梁の主筋定着は重点確認項目で、監理者・確認検査員の立会検査。
ガス圧接業者
1級・2級ガス圧接技量資格者による施工。1日1人あたり40-60継手が標準能率。施工後の目視検査記録、UT検査依頼、不合格継手の切り取り再施工。RC工事の隠れた要石職種。
UT検査業者(第三者検査機関)
ガス圧接継手の超音波探傷検査。JIS Z 3062「鉄筋コンクリート用ガス圧接継手の非破壊検査方法」に基づき、内部欠陥・未圧着を検出。抜取検査(全数の30%)または全数検査で品質保証。
確認検査機関・建築主事
建築確認申請時の配筋計画審査、中間検査時の定着・継手の現地確認。特に基礎・柱・梁の主筋定着はJASS 5適合性の重点チェック項目です。
よくある間違い・注意点
- 低強度Fcで大定着長を要することを見落とす — SD345・Fc21では定着L2=35d、D25なら875mm。柱せいで直線定着が取れない場合は、フック付き定着(L2h=25d)や折曲げ定着を構造図の指示に従って採用します。
- 継手位置を応力集中箇所に設置 — 柱脚・梁端・スラブ支点は応力最大位置。ここに継手を設けると耐力大幅低下。1/4スパン以内(応力小箇所)に配置するのが原則。
- 継手を同一断面に集中させる — 隣接する複数鉄筋を同一位置で継手すると、断面欠損が集中して構造耐力が2-3割低下。重ね継手は中心位置を継手長さの約0.5倍または1.5倍以上、ガス圧接は400mm以上ずらす(公共建築工事標準仕様書・JASS 5)。
- 重ね継手長さと定着長さを取り違える — L1は重ね継手、L2は定着、L3は下端筋の定着。L1の代わりにL2を使うと継手長さが5d程度不足します。
- フック内法直径不足 — D13以下=3D(39mm)、D19以上=4D(76mm以上)、D51=5Dを厳守。内法直径不足だと鉄筋にひび割れが入り、定着効果が半減します。加工場での曲げ機ロール径管理が重要。
- ガス圧接継手の技量資格ミス — 1種はD25以下、2種はD32以下などと圧接できる径に上限がある。1種資格者がD32を圧接すると仕様書違反で撤去・再施工となります。
- 計算値を切り捨てて指示する — 表の長さは最低値。加工寸法は切り上げて指示し、施工誤差で不足しないようにします。
- フックの折り曲げ余長不足 — 90°フックの余長は8D以上、180°フックの余長は4D以上が必要。図面指定を無視して短くすると、フック先端の定着効果が発揮されず引抜き破壊のリスク。
関連する規格・法規
- 建築基準法 第20条・第37条 ― 構造耐力・建築材料の基本規定。RC造の主要構造部の要件。
- JASS 5「鉄筋コンクリート工事」 ― 日本建築学会。重ね継手・定着の長さの表を収録。
- 鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説 ― 日本建築学会。RC造構造設計の教科書的標準。
- JIS G 3112「鉄筋コンクリート用棒鋼」 ― 異形鉄筋(SD295A/SD345/SD390/SD490)の材料規格。
- JIS Z 3881「鉄筋のガス圧接技術検定における試験方法及び判定基準」 ― ガス圧接技量資格1種〜4種の試験基準。
- JIS Z 3062「鉄筋コンクリート用ガス圧接継手の非破壊検査方法」 ― 超音波探傷検査(UT)の検査手順と判定基準。
- 公共建築工事標準仕様書(建築工事編) ― 国土交通省。表5.3.2(重ね継手の長さ)・表5.3.4(定着の長さ)・表5.3.5(下端筋の定着)。
- 建築基準法施行令 第73条 ― 鉄筋の継手及び定着に関する規定。
- 住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法) ― 住宅性能表示制度の構造安定性等級。
- 長期優良住宅の普及の促進に関する法律 ― 長期優良住宅認定における構造要件。
参考文献・公的資料
設計・施工・確認申請の詳細確認は、下記の公的機関・業界団体の資料を参照してください。
- 国土交通省 建築基準法・関連法令 ― 建築基準法施行令・技術的助言。
- 一般社団法人 日本建築学会 ― JASS 5・RC規準を発行する学術団体。
- 日本産業標準調査会(JISC) ― JIS規格の公式検索。JIS G 3112、JIS Z 3120、JIS Z 3062。
- 公益社団法人 土木学会 ― コンクリート標準示方書。
- 全国圧接業協同組合連合会 ― ガス圧接業者の業界団体。技量資格試験の情報。
- 一般社団法人 日本鉄筋継手協会 ― 継手工法の技術評定・品質認定。
- 一般社団法人 全国鉄筋工事業協会 ― 鉄筋工事業者の業界団体。鉄筋施工技能士の情報。
- 一般社団法人 日本建築構造技術者協会(JSCA) ― 構造設計者の業界団体。
- 一般社団法人 建築技術教育普及センター ― 建築士・構造設計一級建築士の試験実施。
- 一般財団法人 日本建築総合試験所 ― 継手金物・鉄筋の第三者試験機関。
- 一般財団法人 建築行政情報センター(ICBA) ― 建築確認・特定行政庁の運用指針。
よくある質問(FAQ)
D13・Fc24の定着長は?
SD345の場合、定着L2=35d=455mm、フック付きL2h=25d=325mm。重ね継手L1=40d=520mm、フック付きL1h=30d=390mm(公共建築工事標準仕様書の表)。加工寸法は切り上げて指示します。
重ね継手長と定着長の関係は?
「定着長×1.2」という規定はない。公共建築工事標準仕様書・JASS 5では、重ね継手長さL1と定着長さL2をそれぞれ鉄筋の種類とFcごとの表で定めている(SD345・Fc24ならL1=40d、L2=35d)。
L1・L2・L3の違いは?
L1は重ね継手の長さ、L2は定着の長さ(大梁・柱などへの一般の定着)、L3は小梁・スラブの下端筋の定着長さ(小梁20d、スラブ10dかつ150mm以上)。末尾にhが付くのはフック付き。
フック付き定着の利点は?
直線の定着長さを短くできる(SD345・Fc24でL2=35dに対しL2h=25d)。フックの余長は180°で4d、135°で6d、90°で8d以上。
ガス圧接継手の技量資格は?
JIS Z 3881(ガス圧接技術検定)に基づく1種〜4種。圧接できる鉄筋径の上限は1種D25、2種D32、3種D38、4種D51が目安。鉄筋の種類によって追加の要件がある。
ガス圧接継手の外観検査基準は?
ふくらみの直径1.4d以上、ふくらみの長さ1.1d以上、鉄筋中心軸の偏心量1/5d以下、圧接面のずれ1/4d以下、折れ曲がり2°以下など(公共建築工事標準仕様書・JASS 5。SD490は割増し)。
機械式継手はどんな場面で使う?
超高層のコア柱(D41・D51の大径鉄筋)、狭隘部での作業性優先、SRCの複雑な配筋、工期短縮を求める現場。各社の工法があり、工法ごとの評定・施工要領に従うで、専用金物とネジ加工・くさび加工の技術認定が必要です。
継手を設けてはいけない位置は?
柱脚・柱頭部、梁の柱接合部・端部(1/4スパン以内)、スラブ支点、耐震壁の脚部・頭部、基礎の柱直下、階段の踊り場付近。応力最大位置での継手は耐力を大幅に低下させるため厳禁です。
継手のずらし配置とは?
隣り合う重ね継手は、継手の中心位置を重ね継手長さの約0.5倍ずらすか、1.5倍以上ずらす。ガス圧接継手は隣り合う圧接位置を400mm以上ずらす。
フック内法直径の規定は?
D16以下は3D(D13なら39mm)、D19-D41は4D(D22なら88mm)、D51は5D(255mm)以上を厳守。内法直径不足は鉄筋にひび割れを生じさせ、定着効果を半減させます。加工場での曲げ機ロール径管理が重要です。
SD390・SD490の定着長は?
SD390はSD345より5d程度長く、Fc24・27で重ね継手L1=45d、定着L2=40dです。SD490は別の表で定められています。「×1.1」「×1.2」のような換算ではありません。
加工寸法を切り上げる理由は?
表の長さは最低限の値なので、加工誤差・施工誤差で不足しないよう切り上げて指示します。切り上げの単位は現場・加工場の取り決めによります。
継手のUT検査は必須?
公共建築工事標準仕様書では、ガス圧接継手の抜取検査として超音波探傷試験(JIS Z 3062)を行い、1検査ロット(1組の作業班が1日に施工した圧接箇所)ごとに30箇所を試験します。
D51の定着長は?
表の係数×51で求めます。SD345・Fc48〜60なら定着L2=25d=1,275mm。なおJASS 5ではD35以上の異形鉄筋には原則として重ね継手を用いず、ガス圧接・機械式継手などを使います。