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N値計算柱頭柱脚接合金物告示1460号木造

N値計算(柱頭柱脚の接合金物)

【ご注意】このページの計算結果・情報は参考値です。正確性・最新性は保証できません。税務・法務・お金・設計・施工・安全などに関わる判断は、公式の資料と専門家の確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。免責事項

柱の位置と柱の両側の壁倍率・筋かいの補正値から、N値計算法で柱のN値と必要な引張耐力(kN)を求め、平12建告1460号の表3(い)〜(ぬ)のどの仕様が必要かを判定します。2025年4月改正の階高3.2m超の扱いも表示します。

最終更新:2026-10-16/監修:計算ツールズ編集部

N値計算(柱頭柱脚の接合金物)ツール

N値の算定式

N値計算法は、柱の両側の耐力壁の強さの差から、地震や風のときに柱を引き抜こうとする力を「倍率」の単位で求める方法です。平12建告1460号第二号のただし書(柱頭・柱脚に必要とされる引張力が、その部分の引張耐力を超えないことを確かめる方法)として使われています。

平屋・最上階の柱:N = A1×B1 − L

2階建ての1階の柱:N = A1×B1 + A2×B2 − L

A1 はその柱の両側の壁倍率の差(筋かいの補正値を加える)、A2 は直上の2階の柱の両側の壁倍率の差、B1・B2 は周辺の部材による押さえの効果を表す係数で出隅の柱は0.8、その他の柱は0.5、L は鉛直荷重による押さえの効果で平屋・最上階は出隅0.4・その他0.6、2階建ての1階は出隅1.0・その他1.6です。

N値と必要耐力

N値1.0は、壁倍率1(1.96 kN/m)の耐力壁が高さ2.7mにある場合の引抜き力 1.96×2.7 = 5.3 kN に相当します。必要耐力は N×5.3 kN が目安です。

計算例

2階建ての1階の出隅の柱で、1階の片側に構造用合板(壁倍率2.5)、もう片側は開口。直上の2階の柱の片側に45×90mmの片筋かい(壁倍率2.0)が柱頭側に取り付く(補正値+0.5)場合、A1 = 2.5、A2 = 2.0+0.5 = 2.5 で、N = 2.5×0.8 + 2.5×0.8 − 1.0 = 3.0。表3の(ち)(N値3.7以下・20 kN)が必要です。

告示1460号 表3の仕様とN値・必要耐力

記号N値必要耐力告示の仕様(要約)金物の例
(い)0以下0 kN短ほぞ差し、かすがい打ちかすがい
(ろ)0.65以下3.4 kN長ほぞ差し込み栓打ち、L字型鋼板添え板(2.3mm)かど金物 CP-L
(は)1.0以下5.1 kNT字型・V字型鋼板添え板(2.3mm)かど金物 CP-T・山形プレート
(に)1.4以下7.5 kNM12ボルト付き鋼板添え板(3.2mm)・角座金ナット締め羽子板ボルト・短ざく金物
(ほ)1.6以下8.5 kN(に)+スクリュー釘打ち羽子板ボルト(スクリュー釘あり)
(へ)1.8以下10.0 kN鋼板添え板・柱にM12ボルト2本・M16ボルトで緊結引き寄せ金物 10kN用
(と)2.8以下15.0 kN同・M12ボルト3本引き寄せ金物 15kN用
(ち)3.7以下20.0 kN同・M12ボルト4本引き寄せ金物 20kN用
(り)4.7以下25.0 kN同・M12ボルト5本引き寄せ金物 25kN用
(ぬ)5.6以下30.0 kN(と)を2組15kN用を2組

係数 B と L

柱の位置B1・B2L(平屋・最上階)L(2階建ての1階)
出隅の柱0.80.41.0
その他の柱0.50.61.6

筋かいの補正値(片筋かい・たすき掛けが柱の片側から取り付く場合)

筋かい柱頭側に取り付く柱脚側に取り付くたすき掛け
15×90mm・鉄筋φ9000
30×90mm+0.5−0.50
45×90mm+0.5−0.50
90×90mm+2.0−2.00

柱の両側から筋かいが取り付く場合の補正値は、組み合わせごとに別の表があります。金物メーカーの技術資料などで確かめてください。

告示1460号 表1(平屋・最上階の柱)

軸組の種類出隅の柱その他の軸組端部の柱
木ずり等の壁(い)(い)
15×90mm筋かい・鉄筋φ9筋かい(ろ)(い)
30×90mm筋かい(筋かいの下部が取り付く柱)(ろ)(い)
30×90mm筋かい(その他の柱)(に)(ろ)
15×90mm・鉄筋φ9のたすき掛け(に)(ろ)
45×90mm筋かい(筋かいの下部が取り付く柱)(は)(ろ)
45×90mm筋かい(その他の柱)(ほ)(ろ)
構造用合板等(ほ)(ろ)
30×90mmのたすき掛け(と)(は)
45×90mmのたすき掛け(と)(に)

告示1460号 表2(2階建ての1階の柱など)

軸組の種類上階・当該階とも出隅上階が出隅・当該階は出隅でない上階・当該階とも出隅でない
木ずり等の壁(い)(い)(い)
15×90mm筋かい・鉄筋φ9筋かい(ろ)(い)(い)
30×90mm筋かい(に)(ろ)(い)
15×90mm・鉄筋φ9のたすき掛け(と)(は)(ろ)
45×90mm筋かい(と)(は)(ろ)
構造用合板等(ち)(へ)(は)
30×90mmのたすき掛け(り)(と)(に)
45×90mmのたすき掛け(ぬ)(ち)(と)

※入力した内容はお使いのブラウザの中だけで処理され、サーバーには送信されません。この計算はN値計算法の検討の見当をつけるための参考計算です。筋かいの補正値は柱の両側の取り付き方で変わります。金物は告示の仕様または同等以上の性能が確かめられた製品を、メーカーの技術資料に従って選んでください。確認申請に用いる計算は建築士が行ってください。

N値計算(柱頭柱脚の接合金物)の詳しい解説

木造の柱は、地震や台風で建物が横から押されると、耐力壁が回転しようとして柱の端を土台や梁から引き抜く方向の力を受けます。柱頭と柱脚の接合部がこの力に耐えられないと、耐力壁は本来の強さを出す前に柱ごと浮き上がり、壁量計算で確かめた耐力が発揮されません。阪神・淡路大震災では、柱が土台から抜けて倒壊した木造住宅が多く見られました。これを受けて2000年に定められたのが平12建告1460号で、柱頭と柱脚の仕口を、柱の位置と軸組の種類に応じた仕様にすることを求めています。

告示の決め方は2通りあります。1つは表1・表2で選ぶ方法で、平屋や最上階の柱なら表1、2階建ての1階の柱などは表2を使い、軸組の種類(筋かいの太さ、たすき掛けか、構造用合板か)と柱の位置(出隅かどうか)から表3の記号を読み取ります。手間が少ない代わりに、柱の両側に同じ強さの壁があって引き抜く力がほとんど生じない場合でも、片側だけに壁がある場合と同じ仕様を求めるため、金物が過大になりがちです。

もう1つが告示第二号のただし書による方法で、柱頭・柱脚に必要とされる引張力が、その部分の引張耐力を超えないことを確かめるものです。その簡易な計算法として広く使われているのがN値計算法です。柱の左右の壁倍率の差 A に、周辺の梁などが柱を押さえる効果の係数 B を掛け、建物の重さが柱を押さえる効果 L を差し引きます。N値が0以下なら引き抜く力は重さで打ち消され、短ほぞ差しやかすがいで足ります。

係数 B は、出隅の柱が0.8、その他の柱が0.5です。出隅の柱は梁が片側からしか取り付かず押さえが効きにくいため、大きい値になっています。L は、平屋・最上階の柱で出隅0.4・その他0.6、2階建ての1階の柱で出隅1.0・その他1.6です。1階の柱は上に2階の重さが載るぶん、押さえの効果が大きくなります。2階建ての1階の柱では、直上の2階の柱の引抜き力も伝わってくるため、A2×B2 を加えます。

筋かいには向きによる補正があります。筋かいは押されるとき(圧縮)と引っ張られるとき(引張)で強さが違い、柱の頭に取り付いた片筋かいは、柱を引き抜く方向により大きな力を伝えます。そのため30×90mmと45×90mmの片筋かいが柱頭側に取り付く場合は+0.5、柱脚側に取り付く場合は−0.5、90×90mmでは±2.0を壁倍率の差に加えます。たすき掛けは左右の筋かいの向きが打ち消し合うので補正しません。柱の両側から筋かいが取り付く場合は組み合わせごとの表を使います。

求めたN値に5.3 kNを掛けると、必要な引張耐力の目安になります。N値1.0は、壁倍率1(1.96 kN/m)の耐力壁が高さ2.7mにあるときの引抜き力 1.96×2.7 = 5.3 kN に相当するからです。表3は、(ろ)が N値0.65以下(3.4 kN)、(は)が1.0以下(5.1 kN)、(に)が1.4以下(7.5 kN)と続き、(ぬ)の5.6以下(30 kN)まであります。5.6を超える場合は表3の範囲外で、より大きな耐力を持つ引き寄せ金物を選ぶか、構造計算で確かめます。

2025年4月の改正では、この接合部の検証にも変更が入りました。横架材の上端の相互間の垂直距離(いわゆる階高)が3.2mを超える場合は、表1・表2による方法は使えず、N値計算法によらなければならないことになりました。あわせて、高さ3.2mを超える筋かいの軸組は、壁倍率に αh = 3.5×Ld/H0(Ld は柱間の距離、H0 は横架材の上端間の距離、1.0が上限)を掛けて低減し、N値計算でも低減後の倍率を使います。また、存在壁量に新しく算入できるようになった準耐力壁等(腰壁・垂れ壁など)は、その割合が必要壁量の2分の1以下なら接合部の検証では倍率0とできますが、倍率が1.5を超えるものが取り付く柱は含めて検証します。

最後に、このツールの使い方の注意です。左右の壁倍率は、柱の両側にある軸組の倍率を、筋かいと面材の合計で入れます。補正値は片筋かいの向きで符号が変わるので、柱頭側か柱脚側かを図面で確かめてください。2階建ての1階の柱で計算値が直上の2階の柱より小さくなる場合は、2階の柱と同等以上にするのが安全側です(このツールは自動で引き上げます)。金物は告示の仕様と同等以上の性能が確かめられた製品を、メーカーの技術資料に従って取り付けることが前提です。

計算の手順をまとめると、①平面図に耐力壁と筋かいの向きを書き込む、②柱ごとに左右の壁倍率と補正値を読む、③2階の柱から順にN値を求める、④1階の柱は直上の2階の柱の値を加えて求める、⑤N値から表3の記号を選び、金物を割り付ける、となります。通し柱と胴差しの仕口など、柱頭柱脚以外の接合部は別の規定によります。また、引き寄せ金物は基礎のアンカーボルトと組み合わせて耐力を発揮するので、アンカーボルトの位置と埋め込み長さも金物の仕様に合わせて確かめます。

業界・現場での使い方

木造住宅の設計(構造の検討)

壁の配置を決めたあと、柱ごとにN値を求めて金物を割り付けます。

プレカット・金物の拾い出し

N値の結果から、かど金物・羽子板ボルト・引き寄せ金物の数を拾います。

確認申請図書の作成

柱頭柱脚の接合方法の根拠として、N値計算の結果を整理します。

現場の金物検査

取り付いた金物が、柱ごとに必要な記号の仕様以上かを確かめます。

リフォームでの壁の増設

耐力壁を足した柱で引抜き力が増えていないかを確かめ、金物を補強します。

よくある間違い・注意点

  • 壁倍率の差を左右の合計で計算する — Aは左右の差です。両側に同じ壁があれば差は0で、引抜き力はほとんど生じません。
  • 筋かいの補正値の符号を逆にする — 柱頭側に取り付く片筋かいは+、柱脚側は−です。向きを図面で確かめます。
  • 2階建ての1階に平屋の式を使う — 1階の柱は直上の2階の柱の A2×B2 を加え、Lも1.0・1.6を使います。
  • 階高3.2m超で表1・表2を使う — 2025年4月以降はN値計算法によります。筋かいの倍率もαhで低減します。
  • N値5.6超を(ぬ)で済ませる — 表3の範囲外です。必要耐力以上の金物を選ぶか構造計算で確かめます。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

N値計算とは何ですか?

柱の両側の耐力壁の倍率の差から、柱を引き抜く力を倍率の単位で求め、柱頭・柱脚の金物を選ぶ方法です。

N値の式を教えてください。

平屋・最上階は N=A1×B1−L、2階建ての1階は N=A1×B1+A2×B2−L です。Bは出隅0.8・その他0.5、Lは平屋・最上階で0.4・0.6、2階建ての1階で1.0・1.6です。

N値が0以下ならどうなりますか?

表3の(い)で、短ほぞ差しやかすがい打ちで足ります。

N値1は何kNですか?

約5.3kNです。壁倍率1(1.96kN/m)×高さ2.7mに相当します。

筋かいの補正値とは何ですか?

筋かいが圧縮と引張で強さが違うことを補う値です。30×90・45×90の片筋かいは柱頭側+0.5、柱脚側−0.5、たすき掛けは0です。

告示の表とN値計算のどちらを使えばよいですか?

階高3.2m以下ならどちらも使えます。表は柱の両側の壁の釣り合いを見ないため、N値計算のほうが小さい金物で済む柱があります。3.2m超はN値計算法によります。

ホールダウン金物が必要になるのはN値いくつからですか?

(へ)の1.6超からで、10kN用の引き寄せ金物が目安です。

N値が5.6を超えたら?

表3の範囲外です。30kNを超える耐力の金物を選ぶか、構造計算で確かめます。

2025年4月の改正で何が変わりましたか?

階高3.2m超はN値計算法によることになり、筋かいの倍率の低減(αh)や準耐力壁等の扱いが定められました。

出隅の柱とは何ですか?

建物の外周の角にある柱です。梁が片側からしか取り付かず押さえが効きにくいため、Bが大きく、Lが小さくなります。